おはよう。さあ今日は、少しだけキャリアに関する話をしてみたい。
人はよく、自分の仕事や立場を「誰かと比べる」ことで評価しようとする。
ただ、その比較の軸は案外偏っている。
年収が高いか低いか。
待遇がいいか悪いか。
もちろんそれも現実の一部ではある。でも今日はそこじゃない。
◾️三つの生き方という視点
世の中の働き方を、少し乱暴に整理すると、大きく三つに分けられる。
・雇用されて働く人
・フリーランス(個人事業・一人親方含む)
・経営者(自ら事業を持ち、人や仕組みを動かす側)
この三つだ。
どれが上で、どれが下、という話ではない。
単なる立場の違いだ。
ところが人は、ついこう考えてしまう。
雇用されている側から見れば、
「フリーランスって自由でいいな」
「経営者ってすごいな、かっこいいな」
フリーランス側から見れば、
「雇用って安定していて安心だな」
「経営者って規模も責任も桁違いだな」
経営者側から見れば、
「雇われって守られていていいよな」
「一人でやっているのは気楽そうだな」
結局、みんな同じだ。
◾️隣の芝生は青く見える
どの立場にいても、別の立場が魅力的に映る。
これはもう、人間の仕様みたいなものだ。
自由に見える働き方には、別の重圧がある。
安定して見える働き方には、別の制約がある。
華やかに見える立場には、見えない孤独や責任がある。
外から見える景色と、内側で生きている現実はまったく違う。
それでも人は、想像だけで評価してしまう。
羨ましさ。
軽い嫉妬。
時には見下し。
でもそれは、だいたい「未体験の世界への幻想」だ。
◾️なってみないと分からない世界
実際のところ、フリーランスには比較的なりやすい。
個人事業の開業自体は、制度的にはそこまで難しくない。
けれど、続けるのは簡単じゃない。
安定収入も保障もない世界で、全責任を自分で背負う。
一方、雇用される側も決して楽ではない。
組織のルール、人間関係、評価制度、異動、責任の分散と集中。
経営者はさらに別次元だ。
売上、資金繰り、人件費、法令、組織運営、最終責任。
どの立場にも「その世界の当たり前」がある。
そしてこの当たり前は、一度身につくと簡単には抜けない。
◾️常識はいつ作られるのか
若い頃の選択や経験は大きい。
10代、20代でどの世界に足を踏み入れるか。
その環境でどんな価値観を吸収するか。
それによって「仕事観」「リスク感覚」「安定の定義」が形成される。
心理学の世界には、こんな言葉もある。
「人は、10代で満たされなかったものに一生涯執着する」。
もちろんすべてがそうだとは限らない。
でも、この指摘はかなり本質を突いている。
自由に憧れたまま大人になる人。
安定を求め続ける人。
権限や裁量に強く惹かれる人。
アイデンティティが形成される時期に受けた強烈な印象、
叶わなかった欲求、
満たされなかった感覚。
それらが、その後の価値観や目指す方向を静かに決めていくことがある。
雇用の世界が当たり前になると、独立は高いハードルに感じる。
独立が当たり前になると、雇用は窮屈に映る。
経営の世界が当たり前になると、責任の重さの基準が変わる。
これは優劣ではない。
慣れと基準。
そして時には、若い頃の欲求や憧れの残響だ。
◾️生き方の違いという理解
どの立場も、積み重ねの結果だ。
雇用される道を選び、専門性や組織力を磨いてきた人。
自分の技能を信じ、一人で市場に立ち続けてきた人。
制度や仕組みを作り、責任とリスクを背負ってきた人。
みんな、それぞれの選択と努力の上に立っている。
たとえるなら、
ずっと賃貸で柔軟に生きる人と、
最初から住宅ローンを背負って持ち家で生きる人の違いにも近い。
どちらが賢いかではない。
どちらが贅沢かでもない。
価値観と戦略の違いだ。
◾️比べるより棚卸し
だから大切なのは、比較ではなく理解。
「自分の立場には何があるのか」
「別の立場には何があるのか」
メリットだけでなく、制約や負荷も含めて棚卸しする。
想像で語らない。
幻想で評価しない。
そして何より、
自分の立場を卑下しない。
◾️誇りという基準
今の自分の働き方は、偶然ではない。
これまでの選択の結果だ。
雇用も、独立も、経営も、
どれも立派な生き方だ。
羨ましがってもいい。
興味を持ってもいい。
でも、自分の場所を見下さない。
自分の立場に誇りを持つ。
他人の立場を尊重する。
◾️協働という視点
社会は、三つの立場が混ざって動いている。
雇用される側だけでは回らない。
フリーランスだけでも成立しない。
経営者だけでも世界は動かない。
互いの役割がある。
だからこそ、
妬みではなく理解。
比較ではなく尊重。
マウントではなく協働。
この意識があるかどうかで、人間関係も仕事の景色も大きく変わる。
「この人は分かっているな」
そう感じる相手とは、自然と長く付き合える。
さて今日も。
世の中を俯瞰しながら、自分の立ち位置を誇りに思いながら歩いていこう。
愛と感謝を胸に。またね。
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