おはよう。今日は、新しいことが一気に動き出すこの時期に、心をどう整えていくか、そんな話をしたい。
4月2日。今日から本格的に始まる人もいれば、もう2日目に入った人もいる。まだ始まる直前の空気の中にいる人もいるだろう。とにかく今は、始まりの季節だ。
ワクワクもある。でも同時に、ドキドキもあるし、不安もある。なんとなく落ち着かない。地に足がつかない。心が少しざわざわする。
でも、まず最初に言いたいのは、それはおかしなことでも、弱いことでもないということだ。
変化に弱いのではなく、まだ慣れていないだけ
人間は、変化そのものに弱いというより、慣れるまで不安定になる生き物なんだと思う。
新しい職場、新しい学校、新しい人間関係、新しい役割。そういうものが始まると、脳も心も一気に情報処理量が増える。いつもなら自然にできていたことも、どこかぎこちなくなる。気を張る。疲れる。考えすぎる。
これはすごく自然な反応だ。
ストレスという言葉は、どうしても悪い意味で受け取られがちだけど、本来はそう単純なものでもない。新しい環境に適応しようとして負荷がかかっている状態とも言える。つまり、成長や順応の過程で必ず通るところなんだよね。
だからこの時期にしんどさを感じるのは、失敗しているからではない。むしろ、ちゃんと順応しようとしている証拠でもある。
大人が平気そうに見えるのは、整理の技術を覚えたから
大人になると、若い頃より変化に強くなったように見えることがある。もちろん経験の差はある。でも、実際には「何も感じなくなった」わけじゃない。
ただ、自分の中で整理する力が少しずつ育ってきただけなんだと思う。
事前に少し見通しを立てる。
起こりそうなことをイメージする。
困ったときに頼れる人や方法を思い出す。
終わったあとに、自分の中で振り返って整理する。
この流れを、年を重ねるうちに少しずつ覚えていく。だから、大人は平気なのではなく、混乱しても立て直す方法を多少知っているだけなんだよね。
逆に言えば、大人だって準備する時間がなかったり、急に大きな変化が重なったりすれば、普通に混乱する。年齢を重ねれば無敵になるわけでは全然ない。
認知の整理ができるかどうかで、しんどさはかなり変わる
ここには心理学的にも大事な視点がある。
認知行動療法では、人は出来事そのものよりも、その出来事をどう受け取ったかで感情が大きく変わると考える。たとえば同じ初日でも、「うまく話せなかった。もう自分はダメだ」と受け取るのか、「今日は緊張して当然だった。まずは一日終えた」と受け取るのかで、その後の疲れ方や立ち直り方はかなり変わる。
いわゆる自動思考ってやつだよね。瞬間的に浮かぶ考え方のクセ。そこに偏りがあると、必要以上に自分を追い込んでしまう。
だから大事なのは、変化に動じないことではなくて、揺れたときに自分の受け取り方を少し整えられることなんだと思う。
「本当にそうか」
「そう決めつけなくていいかもしれない」
「今日は初日なんだから、こんなものかもしれない」
この程度でもいい。こういう小さな整理が、自分を守ってくれる。
子どもや若い人には、事前の見通しを少し渡してあげたい
この時期、子どもたちや若い人たちは本当に大変だと思う。
もちろん本人なりに頑張って準備している。でも、小さければ小さいほど、まだ経験も少ないし、自分の気持ちを整理する技術も十分ではない。だから、周りの大人の関わり方がとても大きい。
といっても、何か特別なことをしろという話じゃない。
「明日はこんな流れかもしれないね」
「最初は緊張するかもしれないね」
「わからないことがあったら、こうしたらいいかもね」
そんなふうに、少しだけ見通しを渡してあげるだけでいい。
大げさなアドバイスじゃなくていいんだよね。本人の頭の中に、少しだけイメージが湧くこと。それだけで心の準備はかなり違う。
見通しがあるだけで、人は少し落ち着ける。これは大人もまったく同じだ。
終わったあとに「どうだった?」と聞いてあげることの大きさ
そして、僕は事後の関わりもすごく大事だと思っている。
新しい一日が終わったあとって、本人の中にはいろんな刺激が残っている。うれしかったこともある。不安だったこともある。たぶん、情報量が多すぎてまだ自分でも整理できていない。
そんなとき、周りが正解を教えようとしすぎない方がいいことが多い。
まずは、少し落ち着く時間を与える。
ぼーっとする時間でもいい。
一人で消化する時間でもいい。
そのうえで、「どうだった?」と聞いてあげる。
ここで大事なのは、評価を急がないことだ。
「それは気にしすぎ」
「そんなの大丈夫」
「頑張りが足りない」
そういうことを先に言われると、人は整理する前にフタをしてしまう。
まずはそのまま話させてあげる。言語化させてあげる。思ったままを吐き出させてあげる。
これだけでずいぶん違う。
傾聴って、派手ではないけど本当に大きい。聞いてもらえるだけで、人はかなり落ち着く。
必要なのは否定ではなく、少しだけ視野を広げるフィードバック
もちろん、何でもかんでもそのままでいいという話ではない。
もし本人が極端に自分を責めていたり、認知がかなり歪んでいたり、有害な思い込みに引っ張られているなら、そこは周りが少し支えてあげた方がいい。
ただし、それも正面から論破する必要はない。
「そう感じたんだね」
「でも、別の見え方もあるかもね」
「初日でそこまで決めなくていいかもよ」
そんなふうに、視野を少しだけ広げてあげる。それで十分なことが多い。
認知の歪みという言い方をすると少し固いけど、要は、疲れているときほど人は物事を狭く、強く、断定的に見やすい。だからこそ、そのときに少しだけ風を通してあげるような関わりが大切なんだと思う。
大人も自分の「使えるもの」を点検しておくと強い
これは子どもだけの話じゃない。大人にもそのまま当てはまる。
変化の時期にやっておくといいのは、自分のリソース点検だ。
使える人は誰か。
相談できる相手はいるか。
自分がこれまで乗り越えてきた経験は何か。
今の自分に足りないものは何か。
しんどくなったとき、何をすれば少し回復できるか。
厳密な理論の名前を並べなくても、本質はすごくシンプルだ。自分には何があって、何が使えるのかを把握しておくこと。これだけで人はかなり混乱しにくくなる。
支えてくれる人。
これまで身につけた力。
今いる状況。
これから取る作戦。
こういうものをざっくり整理するだけでも、心は少し整う。
この時期はしんどい。でも、短期間で大きく伸びる時期でもある
3月には別れがある。
4月には出会いがある。
異動、転勤、転職、入学、進学、引っ越し。人によって形は違っても、この季節は変化の連続だ。しかも、人間関係まで一気に動く。そりゃ疲れるよね。
でも、そのぶん、この時期はすごく成長しやすい。
準備して、経験して、振り返って、また整える。
その繰り返しをちゃんと意識して過ごすだけで、短い期間でも人はかなり変わる。
ただ流されて終わるのか。
一つひとつを自分の経験として吸収するのか。
その差は大きい。
めでたい季節でもあるし、しんどい季節でもある。
でもその両方があるからこそ、人は育っていくんだと思う。
変化の中にいる人も、支える側の人も、少しだけ意識してみてほしい
自分自身が変化の真っ只中にいる人は、まず、落ち着かなくて当然だと思ってほしい。
そして、周りに変化の中にいる子どもや若い人、大切な誰かがいる人は、少しだけ見通しを渡して、少しだけ話を聞いてあげてほしい。
やることは本当はそんなに複雑じゃない。
事前に少しイメージできるようにすること。
終わったあとに吐き出せるようにすること。
必要なときだけ、認知の偏りをやわらかく整えてあげること。
それだけで、人はかなり救われる。
今日も、順応していく一日を生きていこう
新しいことが始まる時期は、どうしたって落ち着かない。
でも、それは悪いことじゃない。自然なことだ。
不安があるのも普通。
疲れるのも普通。
少し弱くなるのも普通。
そのうえで、少し準備して、少し振り返って、少しずつ慣れていく。
その繰り返しでいい。
さあ、そんなことも少し考えながら、今日も一日過ごしていこう。
変化の中にいる自分にも、周りの誰かにも、少しだけやさしく。
愛と感謝を胸に。
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