おはよう。12月の最終週だね。今週が終われば、来週からもう年末年始の連休。気持ちも予定も、いろんなものが一気に前のめりになる時期だ。だから今日は、ちょっと大切な話をしたい。テーマは「依存」。薬物とかお酒とかタバコみたいな分かりやすいものだけじゃない。もっと身近で、もっと普通で、でも人生を一撃で壊しうるもの。やめた方がいいと分かっているのに、やめられない行動。その正体と、向き合い方の話だ。
◾️依存って何だろう──「やっちゃいけない時にやってしまう」行動
依存という言葉を聞くと、代表例が浮かぶ。薬物、お酒、タバコ、ギャンブル、性、買い物。だけど本質はそこじゃない。僕はこう定義したい。やめた方がいいと分かっているのにやめられない。嫌悪感があるのに、直後にまた同じことをしてしまう。しかもそれが、自分や周りに害を出す可能性がある。そこまで来たら、もう「習慣」じゃなくて依存の構造に入っている。スマホ、夜更かし、暴飲暴食、浪費、SNS、仕事のやりすぎ、趣味の暴走、ながら運転、仕事中のサボり、性衝動に流される行動…対象が何であれ、同じ構造になり得る。
◾️「次は気をつける」が効かない理由──意識は強いほど負ける
依存に近い行動の厄介さはここだ。本人は分かってる。何度も反省してる。ヒヤリとした瞬間、損をした瞬間、怒られた瞬間、体調が崩れた瞬間、そのたびに「やめよう」と思う。でも、その直後にまたやる。まるで別の自分に乗っ取られたみたいに。これは根性が足りないんじゃない。脳が「報酬」を覚えてしまっている。短時間で快感や回復が得られる行為ほど、手放しづらい。意志が強い人ほど、意識が強い人ほど、むしろ「次は上手にやれる」と思い込む。自分ならコントロールできる。うまく付き合える。これが落とし穴になる。依存の本性は、意識の強さを利用してくる。だから、根性があり、努力家で、ちゃんとしてきた人ほど、各種の依存にハマりやすい。大事なのは、意志の強さだけではやめられない、という事実だ。
◾️物理が効くのは「甘えを封じる」から──でも一人だと破れる
依存対策でよく言われるのが、物理的に遠ざけることだ。目の前から消す。届かない場所に置く。やれない状況を作る。これは確かに効く。だけど、ひとりでやる場合は破れることがある。自分で制限を作って、自分で解除できるからだ。だからこそ「第三者」が効く。宣言する。監視の目を得る。支援を受ける。強制力のある仕組みに乗せる。これは本質ではないかもしれない。でも、依存のような構造に対しては、こういう外部の力が現実的な突破口になる。ただし、次に述べる「一番大事な心の状態」に辿り着かなければ、結局ゼロになる。
◾️結局いちばん大事なのは「覚悟」だ──でも覚悟は“自然には生まれない”
ここが一番厄介なところだと思ってる。物理も大事。第三者も大事。だけど、それをやるための根っこには「本当にやめたい」という覚悟がいる。覚悟がないと、物理の工夫も甘くなる。第三者にも相談しない。結局、自分の欲求を優先してしまう。じゃあ、その覚悟はどうやって生まれるのか。多くの人は、どん底まで落ちないと気づけない。痛い目に遭って、ようやく理解する。だから依存は怖い。ここで必要なのは根性じゃなく想像力だ。結果と原因の紐づけ。自分の行動が、未来のどんな結果を呼ぶか。自分だけじゃなく、周りに何が起きるか。それを「都合よく見ない」ままにしないこと。目を背ける力の方が強い時がある。だからこそ、想像力は訓練に近い。
ここからはめちゃくちゃ大事なので、あえて言葉を強めに言う。「本当にやめたい」という気持ちは、たぶん多くの人にある。でも、その先にある「絶対にやめなきゃ終わる」という領域まで、腹の底で震えるほど分かっているかどうかは別だ。人生が終わる。誰かの人生を終わらせてしまう。自分も終わる。全部を失う。そこまでの戦慄に近い恐怖を、体ごと脳ごと“腹落ち”させないと、覚悟は生まれにくい。逆に言えば、そこまで来た瞬間、人は「やめたい」じゃなく「やりたくない」に変わる。
◾️依存の正体は「無自覚な無責任」だ
言い方は強い。でも、僕はここに行き着くと思う。依存の構造にいる時、人は無自覚になる。自分の行動が誰にどう影響するかを、薄めてしまう。目を背けて、自分の欲求を正当化する。今だけ。少しだけ。今日は特別。自分なら大丈夫。依存の怖さは、これが本人の中では“理屈”として成立してしまうことだ。だから止まらない。だけど現実は違う。
せっかくあなたがどれだけ毎日頑張っていても、積み重ねていても、どれだけ誠実に生きようとしていても、たった一つの「やめられない行動」が、人生のプラスを一撃で全部ひっくり返すことがある。可能性がある、というより、起きる確率を上げ続けてしまう。運よく最後まで逃げ切れる、と思っているところが甘い。決定打が起きなくても、確実に蝕んでいく。ここを直視できるかどうかで、分岐する。
◾️あなたは何を思い浮かべた?──依存は“病気の人の話”じゃない
ここで、あなたに問いかけたい。今この話を読んで、あなたは何を思い浮かべただろう。お酒?タバコ?スマホ?夜更かし?食べすぎ?浪費?SNS?仕事?趣味?ながら〇〇?あの秘密の行動かい?
これは笑い事じゃない。自分と、誰かの人生に関わる。なのに、ことの重大さに対して、対策も自覚も、原因行動との紐づけも追いついていない。そこにズレがあるなら、それはどこかで目を背けている証拠だ。
誰にでもある。人間の弱さとして、全員が何かを抱えている。でも、だから許されるわけじゃない。社会に悪影響がある。大切な人に負担をかけている。自分でも「やめた方がいい」と思っている。それなのに続けてしまう。その時点で、向き合う価値がある。恥じゃない。むしろ、向き合わない方が危ない。
世の中の悲しい事故や出来事の根本には、こういう「分かっているのにやめられない」が潜んでいることが少なくない。明日は我が身。人ごとじゃない。「自分だけは大丈夫」は、今だけだ。明日の自分が、昨日までの自分を強烈に後悔する日が来る。そしてそれは、一生取り返せないかもしれない。そうなる前に、どこかで変わらなきゃいけない。
これを乗り越えられるなら、今日の気づきと覚悟は、急に1億円が降ってくる喜びよりも、目の前の夢みたいな快楽よりも、もっと深く、あなたの人生の幸福に直結する。取り返しのつかない損失や、取り返しのつかないリスクを、未来から消せるからだ。これは、値千金どころじゃない。どうにか、気づいてほしい。
◾️依存を断ち切るための要点──気合いではなく、構造と覚悟
ここからは結論。依存は気合いでは止まらない。止めるには順番がある。
①自分が依存の構造にいると認める
②結果と原因を紐づける想像力を徹底的に働かせる
③物理で届かない状態を作る
④第三者に宣言し、支援の目を入れる
⑤最後に、覚悟を行動に落とす。
覚悟は頭の中の決意じゃない。毎回の行動で証明される。やめられない時ほど、覚悟を“形”にする。届かない。できない。やれない。相談してある。見られている。もしやったら、自分の人生が終わる。命を失う。大切な人を失う。そういう構造に自分を乗せる。弱さに勝つんじゃない。弱さが出ても崩れない場所に、自分を置く。
◾️守りたいのは快感じゃなく、未来だ
依存の行動には快感がある。回復がある。救いがある。その気持ちも分かる。でも、天秤にかけるべきはそこじゃない。その行為のせいで、数倍返しで襲ってくる「失う未来」がある。自分の人生。家族。信用。健康。時間。取り返しのつかないもの。
ここを本当に思い浮かべられた時、人は変われる。変わるのは一瞬じゃない。何年もかかることもある。でも、そこまで腹落ちしたら、切り替えの瞬間は一瞬だ。ある日のその瞬間は、一生の思い出になる。忘れられない自分の記念日になる。乗り越えた日。自分に戻れた日。人生最大のリスクを回避した日。自分と、周りの人の命を守った日。百万ドルを手に入れるより価値が高い日。
変われる。自分が弱いだけじゃない。人間だもの。
みんな同じだ。ただ、構造を知って、向き合って、やり直せばいい。
さて、今日も人間の弱さを自覚しながら、それでも前に進む。それが人間の強さだ。
自分を守り、大切な人を守り、未来を守る。愛と感謝を胸に、それが人間の限りある命の中での美しさだ。
今日も胸を張って生きよう。
またね。
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