おはよう。今日は、「お金があっても、なぜか満たされない人がいるのはなぜなのか」という、とても根っこの話を書いておきたい。この3つは、それぞれ書籍の出版社ページ、研究の公式サイト、ロバート・ウォールディンガー氏とマーク・シュルツ氏による関連論文だ。
・書籍『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』
・研究公式サイト『Harvard Study of Adult Development』
・関連論文『What’s Love Got To Do With It?』
世の中ではずっと、お金があれば幸せになれる、成功すれば満たされる、評価されれば安心できる、みたいな空気がある。もちろん、それは一面では間違っていない。生活を守るにはお金が要る。家族を養うにも、住む場所を確保するにも、子どもを育てるにも、病院にかかるにも、現実にはお金が必要だ。だから、「幸せにお金はいらない」みたいな雑な精神論を言いたいわけじゃない。
でも、それでもなお、現実にはこういうことが起きる。
十分に稼いでいるはずなのに、なぜかいつも苦しそうな人がいる。肩書きも実績もあるのに、いつも心が乾いているように見える人がいる。逆に、収入だけ見れば派手ではなくても、どこか穏やかで、人生をしっかり生きている感じの人もいる。
この違いは何なのか。
そこに対して、かなり重みのある答えを示しているのが、ハーバード大学が長年続けてきた成人発達研究だ。長い年月をかけて人の人生を追い続けてきたその研究から見えてきたのは、幸福な人生を支える中心には、人との良い関係があるということだった。
この話は、きれいごとに見えて、実はかなり現実的だと思う。
◾️お金は大事。でも、それだけでは人は満たされない
まず大前提として、お金は大事だ。
ここを飛ばしてしまうと、話が薄っぺらくなる。食べるものがない、家賃が払えない、必要な医療を受けられない、子どもの進学や生活に不安がある。そういう状態で「人間関係があれば幸せです」なんて簡単には言えない。生活の基盤が崩れていれば、人は当然苦しくなる。
だから、幸福を考えるときに、お金を軽く扱ってはいけない。生活の土台としてのお金は、やはり必要だ。
ただ、その土台がある程度満たされたあとも、収入が増え続ければ、そのまま比例して幸福が増えていくのかといえば、どうもそう単純ではないらしい。
ここが大事なんだと思う。
人は、お金がないことで不幸になることはある。でも、お金が増え続けることで、そのままずっと幸福になり続けるわけでもない。
つまり、お金は大事だけど、人生を最後まで支える「本丸」ではないということだ。
◾️幸福を左右していたのは、結局「人との関係」だった
ハーバードの研究が長い時間をかけて見つけてきた核心は、とてもシンプルだ。
一番幸せで、健康で、豊かな人生を送っていた人たちは、良い人間関係を持っていた人たちだった。
これは、ただ友達が多いとか、いつも誰かに囲まれているとか、そういう表面的な話ではないと思う。
大事なのは、信頼できる相手がいること。安心して話せる相手がいること。弱っているときに、助けを求められる関係があること。自分もまた、誰かを気にかけたり、支えたりできること。
そういう「関係の質」が、人生の深い部分を支えていたという話なんだろうと思う。
ここは、本当に大切。
人はつい、結果で測ってしまう。年収はいくらか。どんな仕事をしているか。誰から評価されているか。どれだけすごい実績があるか。
でも、人生の後半になって振り返ったときに、本当に心に残るのは、どれだけ稼いだかだけではなくて、誰とどんんふうに生きたかなんだろう。
誰と笑ったか。誰に支えられたか。誰を大切にできたか。
そこが空っぽなら、数字だけ積み上がっても、どこかで苦しくなる。
逆に、そこがあたたかければ、人生は豊かであ幸せに満ち溢れる。
◾️仕事を減らせばいいという単純な話でもない
この話を読むと、「じゃあ仕事を減らして、プライベートを充実させよう」と短絡的に考えたくなる。でも、たぶんそれも少し違う。
問題は、仕事そのものではなくて、仕事の中に人間らしいつながりがあるかどうかなんだと思う。
職場に気軽に話せる相手がいる。困ったときに相談できる。ちょっとした雑談ができる。しんどそうな人に声をかけられる。逆に、自分もしんどいときに誰かが気づいてくれる。
そういう当たり前のようでいて、実は失われやすいものが、働く人の土台を支えている。
職場というと、成果、効率、競争、評価、そんな言葉が先に立ちやすい。でも実際には、良い仕事を支えているのは、人との関わりだったりする。
だから、幸せのためには仕事を捨てろ、みたいな話ではない。仕事の中で、人とどう関わるか。その質をどう整えるか。そこが大事だ。
◾️人間関係は、放っておくと痩せていく
ここも、多くの人が苦手とする分野だし、できるかぎりのことでいいんだけど、少し意識することが、すごく大事だと思った。
「人間関係は、筋肉みたいなものだ。何もしなければ衰えていく。」
これは本当にそうだと思う。
若い頃は、学校や職場や家庭の変化の中で、勝手に人と接点が生まれやすい。でも年齢を重ねるほど、人間関係は意識して手入れしないと細っていく。忙しいからそのうち連絡しよう、落ち着いたら会おう、また今度電話しよう、そうやって先延ばししているうちに、関係は少しずつ遠くなる。
もちろん、無理に誰とでもつながればいいわけじゃない。でも、本当に大切な人との関係まで、忙しさに流されて放置してしまうのは、やっぱりもったいない。
短いメッセージでもいい。少しだけ電話するのでもいい。たまに顔を合わせて、お茶を飲むだけでもいい。
人生をひっくり返すような大きな行動じゃなくていい。小さな接点を、ちゃんと切らさないこと。それが結局、人生を支える力になる。
◾️誰が自分にとって大切なのか、言葉にしてみる
この研究や本の中では、自分の人生の中で本当に大事な人を見つめ直す視点も示されている。
これ、すごくいいと思う。
頭の中でなんとなく大事だと思っていても、日々に追われていると、その“なんとなくはすぐ埋もれがちだ。だから一度、ちゃんと立ち止まって言葉にしてみる。
自分にとって大事な人は誰か。家族か、友人か、職場の仲間か、昔からの恩人か。その人たちと、今どんな関係なのか。自分はその関係を、これからどうしたいのか。
こういうことって、普段あまり考えない。でも、考えないまま生きていると、一番大事なものほど後回しになっていく。人は、失いかけてから大事さに気づくことが多い。だからこそ、元気なうちに、大事な人を大事だと自覚しておくことには意味があると思う。
◾️結局、人生の豊かさは「誰と生きるか」で決まっていく
お金か、人間関係か。仕事か、家庭か。そういう二択にした瞬間に、本質を見失うのかもしれない。
本当は、お金も大事。仕事も大事。努力も大事。成長も大事。
でも、その全部を抱えながら、最後に人生の質を決めていくのは、やっぱり人とのつながり、ということだ。
どれだけ忙しくても、誰とも心が通っていない状態はしんどい。逆に、いろいろ大変でも、ちゃんとつながっている感覚があると、人は踏ん張れる。
家族でもいい。友人でもいい。職場の仲間でもいい。たった一人でも、「この人とはつながっている」と思える関係があるだけで、人生の景色は変わる。
幸福って、派手な出来事の連続ではなくて、たぶんこういう地味な土台の上に積み上がっていくものなんだろう。
誰かと笑えること。弱さを見せられること。気にかけてもらえること。自分もまた、相手を気にかけられること。
その往復の中に、人が人として生きる意味の大事な部分があるんじゃないかと思う。
◾️今日からできることは、意外と小さい
こういう話を読むと、何か大きく人生を変えなきゃいけない気がしてしまう。でも実際には、たぶん逆なんだろう。
今日からできることは、小さい。
しばらく連絡していない人に、一言送る。家族と少しだけちゃんと話す。職場で、いつもより一回多く声をかける。忙しくても、目の前の相手を雑に扱わない。大切な人の名前を、心の中でちゃんと思い出す。
それだけでも、十分意味がある。
幸福って、遠くの理想ではなくて、日々の関係の中で少しずつ育っていくものなんだと思う。
さあ今日も、大事なものを握りしめて、愛と感謝を胸に1日を過ごそう。では、また、ばいばい!
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