日々のことば(ブログ)

リスキリングは“特別な人の話”じゃない|仕事と家庭のあいだで、学び直しを続ける時代へ

おはよう。今日は、先日の記事(✍️アイデンティティを更新する学び直し|深層心理のライフテーマから、興味・価値観・能力の発揮場所を再探索するキャリア意思決定)に引き続き、「学び直し」について書きたい。

最近よく聞くようになった「リスキリング」という言葉。なんとなく、意識の高い人の話とか、デジタル人材だけの話とか、そんなふうに見えてしまうこともある。

でも、本質はもっと身近なものだ。

今の仕事を続けていくため。
これからの働き方に備えるため。
そして、長く働く時代の中で、自分の人生を自分で支えていくため

学び直しは、もう一部の人だけの話じゃない。働く人みんなに関わる、生活そのものの話だ。


◾️リスキリングって、簡単に言うと何か

リスキリングをひと言でいえば、これからの仕事や時代の変化に合わせて、新しく学び直すことだ。
今の知識を少し増やすだけじゃない。必要になる力を、その時代に合わせて更新していくこと

たとえば、今の仕事で必要になった知識を学ぶこと。異動や昇進に備えて学ぶこと。
将来の転職や複業に備えること。資格を取ること。学校に通い直すこと。オンライン講座を受けること。社会人として、仕事や家庭と両立しながら、少しずつ学びを積み上げること。

こういうものは全部、広い意味でリスキリングの中に入ってくる。
特別な挑戦というより、時代に合わせて自分を整え直すこと。

それが、いま求められている学び直しだ。


◾️これから必要なのは、“循環型の学び直し”

昔は、学生時代に学んで、就職して、そのまま経験を積んでいく流れが強かった。でも今は、それだけでは追いつきにくい。

社会の変化が早い。
仕事の中身も変わる。
必要とされる力も変わる。
働く期間そのものも長くなっている。

だからこそ、一度学んで終わりではなく、働きながら何度でも学び直すことが大切になる。
働く。

課題にぶつかる。
学ぶ。

できることが増える。
また働く。

すると、次の課題が見える。
そして、また学ぶ。

この繰り返し。これが、これからの時代の「循環型の学び直し」だと思う。
資格を一つ取って終わりじゃない。学校に入って終わりでもない。

その時々で必要な学びを取り入れて、自分の力を更新し続ける。その姿勢そのものが、これからの強さになる。


◾️学びたいのに、止まってしまう人が多い理由

学び直しが大事なのは分かっている。でも、現実にはそこで止まってしまう人が多い。
その理由は、能力不足でも、やる気不足でもない。

一番大きいのは、時間とお金だ。
特に重いのは、やっぱり時間だと思う。

仕事がある。
家事がある。
育児がある。
家庭の役割もある。


毎日が、それだけでいっぱいになる。

その中で、勉強の時間を確保する。学校に通う。講座を受ける。レポートを書く。試験勉強をする。
言うのは簡単でも、現実はかなり大変だ。

だからこそ、学びたい気持ちがあっても、

「今は無理かな」
「家庭が落ち着いてからにしよう」
「仕事が忙しいからやめておこう」


そうやって断念してしまう人が、本当に多い。

でも、本当はそこで止まってしまうのは、本人の責任だけじゃない。社会や職場の側にも、まだ整っていない部分がある。


◾️第12次職業能力開発基本計画が示している流れ

先日も触れた第12次職業能力開発基本計画でも、学び直しを支える方向性はかなりはっきりしている。

これからは、
個人が自律的・主体的に学ぶことが大切だ。
そして、そのための環境を整えていくことが必要だ。
そういう流れが明確になってきている。

つまり、学びたい人が自己責任で頑張れ、ではない。働きながら学べる環境をどう作るか。学び直しを、現実的に続けられる仕組みにしていくか。そこが政策としても重要になっている。

これは、とても大きな意味がある。
なぜなら、学び直しは個人の趣味ではなく、これからの労働社会そのものに必要なテーマだからだ。

人手不足の時代。
産業構造が変わる時代。
AIやデジタル化で仕事の中身が変わる時代。

その中で、働く人が学び続けられなければ、社会全体が立ち行かなくなる。
だから国も、学び直しを“個人の気合い”ではなく、“支えるべきもの”として見始めている。


◾️職場の理解がないと、学びは止まる

ここは本当に大事なところだ。
学び直しは、本人の努力だけでは続かない。職場の理解があるかどうかで、続けやすさは大きく変わる。

たとえば、誰かが勇気を出して、

「仕事と両立しながら学び直しをしたい」
「学校に通いたい」
「資格の勉強を続けたい」

そう伝えたとする。

そのときに、
「いいね、頑張って」
「無理のない範囲で両立しよう」
「応援するよ」

そう返せる職場なら、学びは前に進む。

でも、
「まず仕事を覚えろ」
「そんなことしてる場合か」
「家庭があるなら無理だろ」

そんな空気が返ってくると、それだけで人は止まってしまう。

もしそこで強い拒否感や否定的な反応が返ってくるなら、その職場やマネジメントには、まだ学び直しを支える視点が十分に育っていないということだ。

ここは、上司や管理職が本当に意識を変えないといけないところだと思う。

部下の学びたいという気持ちは、わがままじゃない。逃げでもない。むしろ、自分の未来と仕事に責任を持とうとしている姿勢だ。

それを潰すのではなく、どうすれば無理なく両立できるかを一緒に考える。
それが、今の時代のマネジメントだ。


◾️働く側も、“気まずさ”に飲まれすぎなくていい

一方で、学び直しをしたい側も、少しだけ意識を変えていい。
本来、何を学ぶかは個人の自由だ。プライベートで学ぶことまで、いちいち許可を取らなければならないものではない。

ただ、現実には、少し共有しておいた方が気持ちよく働けることもある。
たとえば、

「仕事や家庭に支障が出ないよう調整しながら進めたい」
「基本は私生活の範囲で進めるけど、念のため共有しておきたい」
「職場に負担をかけない前提で、自分の力を高めたい」

こういう伝え方なら、必要以上に構えなくていい。

大事なのは、許可をもらうというより、無用な誤解を避けるための共有という感覚だ。
もちろん、言う義務まではない。でも、少し相談しておくことで、働きやすさが増すことはある
そして何より、学びたいと思うこと自体を、後ろめたく感じすぎなくていい
学び直しは、逃げじゃない。

自分の未来を守る行動だ。


◾️本当に必要なのは、根性論じゃなく制度と風土

学び直しを広げるには、「やる気のある人が頑張ればいい」では足りない。

必要なのは、制度と風土だ。
学びやすい勤務の工夫。
休暇や柔軟な働き方。
費用負担への支援。

相談しやすい空気。
学ぶ人を前向きに見る風土。
管理職の理解。

組織としての後押し。
こういうものがあって、はじめて“続けられる学び”になる。

本当は、時間がない人ほど支えられるべきなんだ。

育児中の人。
家族の役割を抱えている人。
仕事が忙しい人。
お金に余裕がない人。

そういう人たちが、「だから無理」ではなく、「だからこそ続けられる仕組みを作る」に変わっていかないといけない。

学び直しは、余裕のある人だけのものにしてはいけない。普通に働き、普通に暮らしている人が、そのまま挑戦できるものであるべきだ。


◾️学び直しは、自分の人生を守る力になる

学び直しは、何か派手なキャリアアップの話だけじゃない。

今の仕事を続けるため。
将来の不安を減らすため。
自分の選択肢を増やすため。
家族を守るため。
人生の後半に困らないため。

そうやって考えると、学び直しはもっと生活に近い。

僕自身も資格取得や社会人枠での進学の検討など、ずっと学び直しを考えてきた。
実際に動いている。だからこそ、理想だけじゃない現実もよく分かる。

時間がない。
お金もかかる。
家庭もある。
仕事もある。
職場に言いづらいこともある。

それでも、学びを止めないこと。完璧じゃなくてもいいから、自分のペースで続けること。
その積み重ねが、未来の自分を助けてくれる。


◾️最後に

もし今、

「学び直したい。でも職場に気まずい」

そう思っている人がいるなら、その気持ちはとても自然で、前向きなものだ。

そして、上司や管理職の立場にいる人には、ぜひ知ってほしい。
部下の“学びたい”は、面倒な相談じゃない。
その人の未来への投資であり、組織にとっても大切な力になる。

時代は変わってきている。

国の方向性も、社会の流れも、少しずつ確実に変わっている。

だからこそ、現場の空気も変えていきたい。

仕事と家庭のあいだで。
限られた時間の中で。

それでも学び続けようとする人が、気まずさではなく、誇りを持てるように。
そんな風土を、職場にも社会にも、少しずつ広げていきたい。

さあ、今日もそんなことを考えながら、みんなで学び直していこう。
僕自身も、自分のペースで進んでいく。
愛と感謝を胸に、今日も、世の中の流れを見渡しながら、賢く、しなやかに、一歩ずつ積み上げていこう。


松永 修 – MUSICおさむ

松永 修|MUSICおさむ|国家公務員|キャリアコンサルタント|作家・メディアクリエイター/音楽クリエイター(シンガーソングライター)|IT・AI設計・コンサルタント

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