おはよう。今日もいい天気。さて、いよいよ日本も次の一手をどう打つか、悩ましい局面を迎えている。それは、米国による対日関税の問題。もし自分が総理大臣だったら──そういう当事者意識で、本気でこの課題にどう向き合うかを考えてみた
最近の報道によれば、トランプ政権は日本からの全輸入品に対して8月1日から25%もの高関税を課す準備を進めており、日本が市場開放などで譲歩しなければ「書簡の通りにするだけかもしれない」と圧力を強めている。身近なところでも生産や雇用に影響が出始めており、企業も政府も対応に追われている。ここでは、この「関税問題」の行方について、あくまで自分なりに、できるだけ偏らず多角的に考えてみたい。
◾️心理的側面:不確実性と交渉の駆け引き
トランプ大統領の強硬な関税方針は、交渉相手に大きな心理的プレッシャーを与えている。彼は各国首脳に突然高関税を通告する書簡を送りつけ、「もし報復関税をかけるなら、その上乗せ分をさらに追加する」と明言することで揺さぶりをかけている。このような攻撃的な姿勢と、同時に「相手が市場を開放しようとするなら方向転換もあり得る」という交渉余地をちらつかせる姿勢を混ぜ合わせることで、常にドラマと不確実性の漂う状況を演出している。結果として、「何が最終決定になるか予測不能」という心理的な緊張感が相手国を覆っている。
日本政府高官も「米国との同盟関係を変えるつもりはない。ウィンウィンの状況を作るため米国と協力していく」と表明し、感情的な対抗措置は取らない方針だ。これは、日本側が冷静さを保ちつつ対話による解決に望みをつなぎたい心理の表れと言える。
一方で、市場や企業にも不安心理が広がっている。日本の株式市場はこのところ低迷気味で、関税をめぐる貿易戦争への懸念が投資家心理を冷え込ませる一因となっている。日経平均株価は昨年比で約4%下落し、過去最高値からも6%超下振れしている。これは世界の主要市場が軒並み好調な中で、日本株だけが出遅れている状態だ。その背景には、米中を皮切りに拡大する貿易摩擦への警戒感や、国内政治の不透明さ、さらには財政懸念などが重なった「不安のトリプルパンチ」があるように思える。
特にトランプ関税の行方が見えないことは、日本企業や消費者の心理に影を落としている。将来への不安から設備投資や消費を手控える動きが強まれば、それ自体が景気減速を招きかねない。実際、あるエコノミストは「もし米国の関税が発動されれば日本経済は景気後退に陥る可能性が高い」と指摘しており、「何らかの痛手は避けられない」との見方を示している。
もっとも、日本側も手をこまねいているわけではない。表向きは毅然と冷静さを保ちつつも、「表面上は笑顔で、裏では周到に備える」というしたたかな対処が必要だとの指摘もある。感情的な応酬に走ったインドやブラジルとは異なり、日本はあえて報復関税をせず対話と調整に徹することで、トランプ政権の出方を慎重に見極めている。
この姿勢は、日本企業にも共通している。多くの企業は最悪の事態に備えつつ政府に支援策を要望しており、「トランプ関税が現実になるなら思い切った経済対策が必要だ」という声も上がっている。極端な圧力にもパニックにならず、冷静に対応策を講じる——日本の心理的耐久力と交渉巧者ぶりが、今まさに試されている。
さすがの日本。僕ら日本人の誇りだ。こういうときに見せる冷静さと品格。僕はそこが本当に好きだ。
◾️社会・政治的側面:同盟関係と国民生活への影響
日本が米国の関税恫喝に対して対抗措置を取らない背景には、社会・政治的な判断がある。最大の要因は日米同盟の重みだ。1980年代の米日貿易摩擦の時代から、日本は安全保障で米国に大きく依存しているため、貿易問題でも真正面からの対立は避けてきた。当時、日本は輸出自主規制など大幅な譲歩策を受け入れ、報復合戦に発展させない道を選んだ。この「対米配慮」の伝統は今も健在で、現政権(石破首相)の対応にも表れている。
欧州連合(EU)が米国の対EU関税に対し対抗関税で応じる構えを見せているのとは対照的に、日本政府は「我々は米国と争うつもりはない」と明言し、米国製品への同等の関税措置は検討すらしていない。政府高官が「日米は同盟関係に変わりはなく、あくまで協調してウィンウィンの解決を図る」と述べている通り、国益に反する貿易措置にも同盟維持を最優先する外交判断が見て取れる。
しかし、こうした政府の姿勢は内政的には難しいバランス調整を迫られている。ちょうど目前に控えた7月20日の参院選では、石破首相は与党過半数維持をかけた戦いのさなかにある。有権者の関心は物価高や景気動向にも向いており、米国との貿易交渉の行方は政治問題化している。石破氏自身、「これは国益を懸けた戦いだ。なめられてたまるか」と強気の発言もしているが、現実には選挙前に米国へ弱腰と映る譲歩をすれば政権基盤を揺るがしかねない。一方で、8月から本当に高関税が発動されれば日本経済に打撃となり、国民生活にも悪影響が及ぶ。そのため政府は現在、水面下で米側と集中的な協議を重ねて譲歩点を探ると同時に、万一関税が発動された場合に備えた国内対策の準備も進めている。
僕自身が一番気になるのは、やっぱり雇用や暮らしへの波及だ。自動車産業は日本経済の屋台骨だが、米国が日本車に合計27.5%もの関税を課せば価格競争力が落ち、現地販売の減少につながりかねない。輸出減が長引けば国内工場の減産・人員調整も現実味を帯び、製造業の雇用不安が広がる恐れがある。また、関税で輸出が滞れば企業収益が悪化し、そのしわ寄せは賃金抑制や設備投資縮小となって一般家庭にも波及する。結果として消費マインドの冷え込みや地方経済の停滞といったミクロな暮らしへの影響も無視できない。
そして僕がキャリコンの勉強を通して関心を深めた、社会心理学的な側面から見ると──米国への反発感情の高まりにも注意が必要だ。幸い今のところ、表立って反米デモが起きるような状況ではない。しかし、例えば1980年代には米議会で日本製品をハンマーで叩き壊す「ジャパンバッシング」の象徴的場面が報じられ、日本国民に大きな衝撃を与えた。当時の記憶を持つ世代には、今回の関税圧力にデジャヴュ的な反発を覚える人もいるだろう。
とはいえ、多くの日本人は政府と同様に冷静で、米国との摩擦激化は望んでいない。むしろ「嵐が過ぎるのを待つ」という忍耐強さで一致団結しようとする空気も感じられる。家計レベルでは、万一物価上昇など逆風が来ても無駄を省き乗り切ろうという堅実な消費姿勢が見え始めている。社会全体でみれば、トランプ関税への対応は単なる経済政策の問題に留まらず、国民の結束力や政府への信頼感といった社会的資本も試される場面だと僕は思う。
◾️歴史的側面:過去の教訓と繰り返すパターン
今回の米国による高関税攻勢は、歴史的な視点から見ると決して前例のないものではない。特に思い出すのは、僕が受験勉強のころに知った「1930年代のスムート・ホーリー関税法」だ。
世界恐慌下の米国が輸入品に大幅な関税引き上げを行ったところ各国が報復し合い、貿易が縮小して大不況を深刻化させたことは、経済史の教訓として知られている。保護主義的な関税戦争は短期的な国内産業保護になっても、長期的には自他ともに経済を傷つけるリスクが高い。
日本と米国の関係に限っても、過去に幾度も通商摩擦が起きている。特に1980年代の米日貿易戦争では、繊維・鉄鋼から半導体・自動車まで幅広い分野で対立が先鋭化した。当時、米国は日本の巨額の対米貿易黒字を問題視し、日本製品に最大100%の報復関税を課す強硬策も辞さない構えだった。レーガン政権下の1985年には、日本製コンピュータやテレビなどに100%関税が発動され、日本は衝撃を受けた。
しかし日本は報復ではなく譲歩を選び、半導体協定で自国市場の20%を米国製品に開放するなどの苦渋の決断をした。また、牛肉・オレンジの輸入自由化や市場構造の改革(1989年の日米構造協議)など、米国の要求に応じる形で国内改革を進めた経緯もある。結果的に日本の貿易黒字はそう簡単には縮小せず、米側の不満は完全には解消しなかったが、激しい貿易戦争は一定の譲歩と協調によって沈静化していった。
この歴史は、現在の状況にも通じるパターンを示唆している。すなわち、米国の圧力に日本が何らかの譲歩策で応じ、危機を回避するという構図だ。実際、トランプ大統領も過去の取引で結果を出したときは一転して強硬策を撤回する傾向がある。第1次政権の2019年には、自動車関税の脅しを背景に日米が限定的な貿易協定を結び、日本は米国産農産品の関税引き下げに合意したのを覚えてるかい?見返りに米国は日本車への追加関税見送りを約束し、「脅し→譲歩→回避」という形で一件落着となったのが僕にとっては衝撃のハイライトだった。
この経験から、日本政府は今回も何らかの譲歩カードを切る可能性がある。例えば米国産農産物の輸入拡大や、防衛装備品の追加購入、あるいはエネルギー分野での大型投資などが考えられる。また最近報じられた新日鉄による米国製鉄所への出資・買収も、その一環と言えるかもしれない。トランプ大統領はペンシルベニア州ラリーで、日本の製鉄大手が米国製鉄会社に巨額投資をする「画期的な合意」を自画自賛し、米国の鉄鋼関税を25%から50%へ倍増する決定まで行った。
このように、日本企業の対米投資を引き出しつつ国内向けには強気の保護主義をアピールするのも、トランプ流の交渉パターンだ。歴史的に見れば、保護関税による貿易戦争は繰り返し現れては沈静化するサイクルを辿っている。その着地点は往々にして「部分的譲歩と妥協」である。もちろん、世界経済全体で見れば関税による摩擦激化はマイナスであり、最終的には各国とも協調関係に戻らざるを得ない。今回も同様に、最悪の衝突は避けつつ相互の言い分を飲み込んだ形での「痛み分けの和解」に落ち着く可能性が高いと僕は読んでいる。
◾️経済的側面:マクロ経済への打撃と政策対応
経済の視点から見ると、トランプ関税が現実となった場合のインパクトは極めて大きいと予想される。米国が日本に課そうとしている25%の報復関税は、日本から米国への全輸出品を対象に含んでいる。これが実際に発動されれば、米国全輸入品に対する平均関税率は一気に引き上げられ、貿易コストの大幅な上昇を意味する。結果として、貿易量の縮小と物価上昇(インフレ圧力)をもたらすリスクが高まる。
とりわけ自動車産業への打撃は甚大だ。米国は既に日本車に対して追加25%の関税を課しており、これにより日本メーカー各社は価格転嫁か採算見直しを迫られている。採算の悪化したモデルは生産縮小、販売減少へとつながり、消費者の負担増や雇用不安につながる。「貿易するにも一種の入場料を払うようなものだ」という言葉は、現実味を帯びて響いてくる。
農林水産品や機械・電子部品といった他の主要輸出品も同様だ。関税により価格競争力を失えば、米国向けビジネスの採算見直しが迫られる。中には輸出を断念し他市場への転換を図る企業も出てくるだろう。これは日本の生産活動を縮小させ、ひいては国内の雇用や設備投資を減少させる方向に働く。また、日本企業が関税回避のため米国現地生産を拡大すれば、生産拠点の海外移転が進み国内空洞化の一因ともなりかねない。
こうした打撃を和らげるため、日本政府も対策を検討している。まず議論されているのが追加経済対策(補正予算)だ。日本企業の多くが「物価高とトランプ関税の影響緩和のため、今年後半にも補正予算を編成すべきだ」と回答しており、選挙後には現金給付や家計支援などの景気下支え策が現実味を帯びてくる。他方、野党は消費税減税や廃止を訴えており、内需喚起によって関税ショックを乗り切ろうという方向性は広く共有されている。
ただし、財政面の制約も無視できない。国債金利が上昇し、財政悪化への警戒感が強まる中で、大規模な財政出動には国の借金増大という副作用が伴う。そのため、企業からは「規制緩和や減税で民間活力を高めてほしい」という声も出ており、法人税減税や投資減税、あるいは労働規制の緩和などでビジネス環境を整備する必要があるだろう。
また、ここは僕としてもとても重視したい視点のひとつで、国際協調の観点ではWTO(世界貿易機関)を通じた紛争解決も選択肢に挙げられるが、トランプ政権はそのルールをあまり意に介していない節がある。日本としては他の被害国と連携して米国に自制を促す外交戦略も考えられる。実際、EUやカナダなども米関税に反発しており、水面下で日本と情報共有や共同歩調の模索が行われているようだ。もっとも、日本は報復関税を控えているため、表立った対抗措置リストの公表もなく、あくまで対話路線を貫いている。この慎重すぎる態度に国内から不満が出る可能性もあるが、現時点では「静かな外交努力」が最善策と認識されているのだろう。
◾️大きな問題と小さな日常
さぁ、こうしたマクロな課題を考察しながらも、ふと立ち返るのは日々の暮らしだ。世界経済の荒波の中で、自分の生活をどう舵取りするか…そんなミクロな視点も忘れずにいたい。企業の業績悪化は労働者の雇用や賃金に影響し、物価上昇は家計の負担を増やす。だからこそ僕たち一人ひとりも、この問題を自分事として捉え、状況に応じた備えや行動が必要になってくる。
こんなマクロなことを考察しながら、ミクロな自分の生活でどう立ち振る舞うかを想像してみる。
ちなみに今日は、僕自身もセミナーの講師を務める。無事にその役目を果たせるよう、気合を入れて臨みたい。本番になれば、音楽のライブやキャリコンの面談と同じように、台本なんて一度忘れて、目の前に来てくれた人に少しでも何かを持ち帰ってもらえたら──そんな気持ちで、全身全霊で向き合いたい
今日も、愛する家族の笑顔を思い浮かべ、心の中で名前を叫び、絆を握りしめて歩く。
みんな、愛してる。
今日もありがとう。
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