日々のことば(ブログ)

✍️健康は特権か?人間ドックで見える社会の輪郭

おはよう。今日は人間ドック、年に一度のこの機会。僕にとっては単なる検査ではなく、「日頃の成果を確認する楽しみな日」だ。

ここ数年、ジョギングや食生活の見直し、睡眠の量と質にも意識を向けてきた。タバコも5年。お酒も1年9ヶ月絶っている。健康への取り組みは「いつかの未来」ではなく、「今日」の積み重ねだ。今の自分の「医学的な真実」を受け止めて、そこから新たな目標を立てることができるのは、とても意味のある時間だと感じている。

若い頃は「めんどくさい」「どうせ何もない」と思っていたこの検査も、年齢を重ねるごとにありがたみが増してきた。人間は気を抜くと、意識も身体も少しずつ緩んでいく。実際、老化は加齢による自然現象だけでなく、習慣によって大きく加速される。だからこそ、こうして「数字で見える」というシステムは、心に強く働きかけてくれる。自分という人生の乗り物に、定期的な点検は必要不可欠だ。

◾️“健康格差”という構造──社会学的視点

人間ドックを受けるかどうかにも、はっきりとした「社会的格差」が存在する。正社員であれば職場補助を受けられることが多いが、非正規やフリーランス、個人事業主にとっては自己負担が基本だ。また、受診率は収入や学歴と強く相関している。都市部では医療機関が集中し、最新設備も整っているが、地方ではアクセスが困難な地域も多く、質の高い検査を受けたくても物理的に難しい場合がある。

このような状況は、「健康の社会的決定要因」として国際的にも注目されている。健康は個人の意思や努力だけでなく、就労形態、所得、教育、地域環境といった構造的条件に深く左右される。たとえば、年収300万円未満の層では人間ドックの受診率が著しく低く、がん検診でも「経済的理由」による未受診が多数報告されている。自己責任という言葉の裏で、制度や構造がもたらす健康格差を見逃すべきではない。

◾️“先行投資”としての人間ドック──経済学的視点

人間ドックは、未来の医療費に対する「コスト削減のための投資」としての意味を持っている。予防医療の観点から見れば、早期発見によって重症化を防ぎ、結果的に医療費も抑制できる。たとえば、早期の胃がんなら内視鏡での切除が可能だが、進行すれば外科手術や抗がん剤治療が必要になり、数百万円の費用と長期の療養が必要になる。しかも治療に伴う離職や休職によって、本人の収入が減るだけでなく、社会全体の生産性にも影響が出る。

日本の医療費全体のうち、生活習慣病に関係するものは約3〜4割を占めているとされる。これは糖尿病、高血圧、脂質異常症、がんなどの慢性疾患が、いかに財政負担となっているかを示している。予防の段階で介入することは、個人の幸福だけでなく、社会全体の持続可能性にもつながる。人間ドックは、社会にとっても「利回りの高い投資先」だと思う。

◾️精密検査の技術革新と可能性──医学的視点

医療技術の進歩は、人間ドックの在り方そのものを変えつつある。近年では、AIによる画像診断支援が進み、医師の見落としリスクを大きく減らすことが可能になっている。がん検査ではアミノインデックスやリキッドバイオプシーといった血液マーカーによる超早期診断が実用化されつつあり、ステージ0のがんの発見も夢ではなくなってきた。

また、MRIでは無症候性脳梗塞や小さな動脈瘤なども可視化できる。CTは被曝量が年々減少しており、心臓の冠動脈の石灰化スコアなども短時間で測定できるようになった。経鼻胃カメラの普及で、胃の検査の「つらさ」もかなり軽減されている。

一方で、これらの高度な検査の多くは未だオプション扱いで、保険も適用されず、自己負担が高額になることが多い。必要性は高くても、費用的なハードルによって受診を躊躇する人が少なくない。技術の進化と同時に、それを誰もが使える社会制度が整うことが求められている。

◾️健康とは「数値」ではなく「物語」──健康学的視点

人間ドックが出してくれるのは「数値」だけじゃない。本当に大切なのは、その裏にある──その人の「生活」や「物語」なんだと思う。

血圧や肝機能の異常が見つかったとき、それは単なる体の不具合ではなく、その人の暮らし方やストレス、人間関係、あるいは孤独…そんな何かしらの“心身の叫び”の結果かもしれない。

たとえば、交感神経が慢性的に優位になっている人は、高血圧や不整脈だけでなく、睡眠障害や過食にもつながる傾向がある。こうした「自律神経のゆらぎ」は、日々の過ごし方や心の持ちようによって大きく影響を受ける。

健康とは、体・心・社会が絶妙なバランスでつながっている状態のこと。だからこそ、「どんな人生を生きたいか」「誰のそばにいたいか」という問いが、健康の根本にある。人間ドックはそのきっかけになる。単に病気の有無を知るだけではなく、「自分の生き方と向き合う時間」として捉え直すとき、検査の意味は深まる。

そういうわけで、今日は仕事が休み。イレギュラーな一日を、全身で楽しみたい。検査の待ち時間など、合間に音楽の作業も進めたい。今はライブ出演という目標があるから、音楽が最優先。試験勉強は一旦二次タスクになっているけれど、それも人生のバランス。大切なことを大切にできているという感覚こそが、僕にとっての健康そのものだと思う。3曲のオリジナル音源制作。ボーカルが埋もれないオケ作り。「自分の声」と向き合う日々が、本当に楽しくて仕方ない。

さあ、今日も一日。自分の体と心に向き合いながら、愛する家族との絆を感じ、一生懸命に生きていこう。

愛してる。今日もありがとう。バイバイ。またね。


松永 修 – MUSICおさむ

松永 修/音楽名義:MUSICおさむ(シンガーソングライター)/音楽と文章の作家/国家公務員/キャリアコンサルタント

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