日々のことば(ブログ)

✍️ボケた僕と、ズレないテクノロジー──GPSという“心のコンパス”

おはよう。今日もせみの大合唱が響いてる。学生たちは終業式を終え、登校班の姿も見かけなくなった。街は静かで、音だけが夏を告げている。

子どもたちが夏休みに入ると、こっちまで「あぁ、夏が来たな」と思う。たぶん、僕の身体のどこかに、あの頃の「夏休みの記憶」が、今も残っているんだろう。

それにしても暑い。暑すぎて、頭がぼーっとすることもある。こんな日は、うっかり忘れ物や失くし物をしないように気をつけなきゃいけない。

実は一昨日、プールに行った帰り、大きな自分のカバンを丸ごと現地に忘れてしまった。帰宅してから気づいて青ざめたけれど、電話で所在を確認し、今日の仕事終わりに取りに行く予定になっている。

そんなわけで、なくしもの──いや、今日はGPSについて、僕自身の体験とともに、ちょっとだけ深く掘り下げてみようと思う。

◾️失くし物が「見える」時代に生きている

昔、財布や鍵をなくしたら、一大事だった。「たぶん家にある」と思いながらも、見つからないときの不安感。もしかして外で落とした? 駅? お店? 警察に届けたほうがいい? 一日まるごと費やして探し回ることだってあった。

でも今は、そんな苦労が嘘みたいになくなった。

僕はAppleのAirTagを複数持っていて、鍵、財布…にそれぞれ付けてる。スマホやPCで“今どこにあるか”がすぐ分かるし、必要なら音を鳴らして呼び出せる。

厳密に言えば、AirTagにはGPSチップは入っていない。Bluetoothと超広帯域無線(UWB)、そして周囲のiPhoneによる位置情報ネットワークを活用して、“あたかもGPSのように”居場所が把握できる仕組みになっている。でも使ってる感覚としては、もはや「GPS」と言ってしまいたくなるレベルで、位置がわかる。これが本当にすごい。

1個4,000円くらいの小さなGPSデバイスが、僕の日常を何度も救ってきた。失くし物の不安をまるごと“見える化”してくれるこの技術には、もう感動しかない。
でも、こんな当たり前に思えるGPSだって、ほんの数十年前までは軍事専用の、超高級なシステムだったんだ。

◾️そもそもGPSってなんだ?

GPS(Global Positioning System)は、アメリカ国防総省が1970年代に開発を始めた軍事用の測位システム。人工衛星からの電波を使って、地球上の“今いる場所”を測定する技術だ。

最初の衛星は1978年に打ち上げられ、1993年に「初期運用(IOC)」、1995年に「完全運用(FOC)」へと移行。とはいえ当時のGPSは、一般利用者にはわざと誤差が100メートル以上出る仕様になっていた。正確な位置情報は、軍や政府関係、測量士などの限られた人たちだけのものだった。

それが2000年、アメリカ政府が「選択的利用可用性(SA)」という誤差の仕組みを廃止したことで、一気に高精度化。そこから民間への普及が加速していく。スマホにGPSが標準搭載されるようになったのは2010年代前半からで、ほんの十数年前の話だ。

スマホがGPSを標準搭載しはじめたのは2010年代初頭。それ以降はもう、僕たちのポケットの中に“測位衛星技術”がずっと入りっぱなしだ。

◾️どれくらい正確なの?──測位精度の進化

今のGPSって、実はかなり“すごい”精度を持っている。
スマホに搭載されている一般的なGPSでも、誤差はだいたい3〜5メートル。都市部や屋内では7メートル前後までズレることもあるけど、日常生活にはほぼ支障がないレベル。さらに、WAAS(アメリカ)、EGNOS(ヨーロッパ)などの「SBAS(衛星航法補強システム)」を組み合わせれば、精度は1〜2メートルにまで向上する。

そして、もっとすごいのがRTK(リアルタイムキネマティック)やPPP(Precise Point Positioning)といった高精度測位技術。これらを使えば、数センチレベルの誤差で“ピタリと位置を測る”ことができる。農業、建設、ドローンなどの分野では、すでに日常的に活用されている。

そしてGPSは、位置だけじゃなく“時間”を測る装置でもある。
実は、GPSが位置を測る仕組みの根幹には「時刻の精密さ」がある。人工衛星には、1秒の誤差が数十億分の1しかない「原子時計」が搭載されていて、その超精密な時刻データをもとに、地球から見た複数の衛星までの距離を計算して“現在地”を導き出している。この原子時計がずれてしまうと、位置情報も大幅に狂ってしまうため、GPSとは「時間と空間を同時に扱うインフラ」でもある。測位システムであると同時に、時間の標準を提供する国家的な基盤でもあるんだ。

◾️GPSは今、どこに使われている?

スマホ、スマートウォッチ、カーナビ、自転車のサイクルコンピュータ、登山用GPS、ドローン、配達トラッキング、防犯タグや見守り端末、そしてAirTagのような超小型トラッカー。今や“どこにあるか”を記録しないモノの方が珍しい。

特にAirTagに感じるすごさは、「他人のiPhoneを使って、自分のAirTagを探せる」ことにある。
Appleの「探す」ネットワークは、世界中のiPhoneを“匿名で中継局”として活用している。つまり、道ばたに落とした自分の鍵が、誰かのiPhoneに感知されて、その位置情報が自分のiPhoneに届く。ものすごく精密で、ものすごく匿名性が高く、そしてものすごく便利。

◾️でも、監視と自由は紙一重

もちろん、その便利さの裏側にはリスクもある。最近では、AirTagを使ったストーキング事件も報道された。Appleは「見知らぬAirTagが近くにあったら警告が出る」機能を導入し、Androidにも同様の検知アプリが登場している。“GPSの便利さ”と“プライバシー保護”が、今せめぎ合ってる時代。テクノロジーは、使い方次第。信頼と倫理のバランスが問われている。

◾️これからGPSはどこに向かう?

これからのGPSは、AIと結びついて“気づかないうちに助けてくれる存在”になっていくだろう。鍵を忘れて出かけようとしたら、イヤホンが「忘れてるよ」と教えてくれる。子どもがいつもと違う通学ルートを通ったら、親のスマホに通知が届く。災害時には、人流データをAIが分析して、最も安全な避難ルートをリアルタイムで案内する。高齢者の徘徊や転倒も、そっと見守る技術になる。

GPSはもう、単なる“場所を示す点”ではない。僕たちの「記憶の外部化装置」になりつつある。
忘れたことも、失くしたものも、見失った自分自身さえも、もう一度“つなぎなおす”ためのテクノロジーなんだ。

……とまあ、ここまでGPSを熱く語っておいて、実はAirTagにGPSは入ってないっていう事実。
まさに「場所の話」で迷子になりかけたのは、僕自身だったかもしれないね。

◾️結局、休みなのに出勤して、忘れ物を取りに行く話

さあ、そんなことを考えながら、今日も一日を始めたい。子どもたちは夏休みだけど、僕はいつも通りの平日だ。でも、仕事は仕事で楽しい。音楽も、勉強も、自分なりに前に進めていける。この連休で、たくさん家族からエネルギーをもらった。笑顔も、声も、肌のぬくもりも、全部が僕のエンジンだ。

──と、そんなことを考えながらブログを書き終え、会社に着いたのだが、フロアに入った瞬間、なにかが妙だった。みんなの視線が一斉にこちらに向く。なぜだろう。誰か退職する日だったっけ? それとも僕、なにかやらかした? いや……。

ようやく気づいた。

今日は有休を取っていたのだった。
そう、しっかり事前に休暇申請して、4連休の最終日。
自分で決めていたはずなのに、きっちり忘れて、完全に出勤モードで会社に来てしまった。朝からちゃんと起きて、会社の服を着て、髪を整えて、弁当までしっかり作って、出勤してきたのに。何もかも完璧だったのに、唯一の誤算は「今日は出勤日ではない」ということだけだった。

周りにいた上司も同僚も、いや、部下たちまでもが「マジっすか!?」と笑いながら、あたたかく迎えてくれた。家族にも電話すると、大笑いしてくれて、しかも「早く帰ってきてね」と嬉しそうな声が返ってきた。

ちなみに、会社とカバンを忘れたプールはほんの数分の距離。ついでに忘れ物のカバンをピックアップして、そのまま折り返して帰ることにした。

朝からきっちり出勤の準備をして、会社まで来て、弁当も持って、何一つ間違えていないのに、唯一のズレが「今日の予定」だったというだけで、こんなにズレてしまうのだから、人間って面白い。

でも、だからこそGPSがありがたい。こんな平和ボケした僕の忘れ物も、勘違いも、日常も、きちっと正確に示してくれる、そんなテクノロジーの心強さを、今日はしみじみ感じた。

同じ空の下、みんながそれぞれの場所で人生を謳歌している。家族たちよ、愛してる。
それでは今日も、心の中ではいつも隣だ。

愛してるよ。バイバイ。

あとがき

忘れ物や予定の勘違い──人間だからこそ起きるズレ。でも、そんな僕らの“抜け”をそっと補ってくれるのがテクノロジーだと思う。

僕も何度も救われてきたアイテムを、最後に紹介しておきたい。

  • Apple AirTag
     鍵や財布に付けておくだけで、iPhoneの「探す」アプリからすぐに居場所がわかる。小さな忘れ物探偵。
  • Apple Watch Series 11 (GPSモデル)
     iPhoneをどこに置いたか忘れたとき、手元の時計から音を鳴らせる。この安心感は一度使うと手放せない。

ボケた僕と、ズレないテクノロジー。
GPSやAirTagやApple Watchは、ちょっとした備えで日常を笑い話に変えてくれる“心のコンパス”だと思う。


松永 修 – MUSICおさむ

松永 修|MUSICおさむ|国家公務員|キャリコン|作家・メディアクリエイター/音楽クリエイター(シンガーソングライター)|DTM作編曲

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