日々のことば(ブログ)

✍️初心者でも一気に変わるミックス最終工程|ボーカル・キック・スネアから始める音量バランスの基本

おはよう。今日はDTMの話をしたい。この手のDTM記事はこれまでにも何本も書いてきたし、もっと細かいミックスやマスタリング、LUFS、ダイナミクスレンジの考え方まで踏み込んだ話も過去にかなり書いている。だから今日は、その土台にある一番大事な基本、最後の最後の相対音量の話に絞って整理してみたい。

いよいよ終盤。すべてのレコーディングが終わって、補正もして、オートメーションも入れて、パンニングもリバーブ設計も済んで、各トラックの音作りも整っている。ここまで来ると、もう完成した気がする。

でも、最後に残っている。
一番シンプルで、一番難しくて、一番差が出る作業。

相対的な音量バランスの最終調整。

ここ、よく考えたらそんなに難しくない。でも初心者はここまで色々やった後に満足してしまいがちで、ミスに気づかない。耳で聴くと完成しているように感じる。でも実際は違う。

音は割れていないように聞こえるかもしれない。
リミッターやコンプレッサーが抑えてくれているから。

でも違う。

余白がない。


◾️余白を残すという当たり前の話

最初に仮で音量を決める時、聴覚で合わせていくと、だんだん音は上がっていく。

「もうちょっとボーカルを前にしたい」
「スネアをもう少し抜けさせたい」

本当は

・EQで住み分ける
・パンニングで位置を分ける
・リバーブで距離を作る

これをやるべきなのに、その作業をやってる途中で、仮の音量相対関係を徐々に上げてしまう。
結果、終盤に全部が吊り上がっている。

気づいたら全体がパンパン。でも耳はそれに慣れてしまう。


◾️最終段階で“やり直す”理由

ここまで来たら、一度全部を疑う。
やることはシンプル。

最後、音量を下げる。
そして、最初からやり直す。


◾️まずは3つだけで始める

歌ものならここから。
大量のトラックが終盤には構成されていると思うが、改めてまず基本の

・メインボーカル
・キック
・スネア

この3つだけを鳴らす。
この時点で大体クリップしている。

だから、勇気を出して3つとも下げる。
ピークを -6〜-8dB くらいまで落とす。

小さいと感じるくらいでいい。小さくないんだ。それまでが大きすぎるんだ。
人の耳は大きい方がよく聞こえるから。大きくしたくなる。でも、我慢だ。


◾️聴覚の基準をここで作る

そのうえで、3つの相対的な聴覚上の音量関係はこう。

・ボーカルは常に一番前
・スネアは気持ちよく鳴る
・キックは感じる(主張しすぎない)

ここで“気持ちいい”と思える位置を作る。


◾️順番に重ねていく

次に、まずはベース。

・キックとぶつからないか
・ボーカルの下が濁らないか
・重心が安定するか

次に上物、ピアノやギター。

・主役を邪魔していないか
・出すところと引くところがあるか


◾️ボーカルが多い場合の考え方

そして、ボーカルが複数トラックある場合、この辺りから混ぜていく。。

まずは

・メインボーカル
・キック
・スネア
・ベース

この“芯”を作ったどだいの中で、そこに順番にメイン以外のボーカル群を重ねていくイメージだ。

・メインに近いユニゾンやサブ的な声
・低音などの支え
・コーラスやハモリ
・合いの手やリズム的な声
・語りや演出的な要素

すべてを同じ“ボーカル”として扱わない。
主役・支え・演出
だいたい、この3つに分ける。


◾️音量は最後にもう一度決める

ここまでの話のまとめだけど、途中で決めた音量は、あくまで仮で、

すべての
・EQ
・コンプ
・パン
・リバーブ
・オートメーション

これらが終わったあと、
もう一度ゼロから音量を組み直す。という話をしてきたけど、そもそもの話にも遡って触れておきたい。


◾️レコーディングの段階で“粒”を揃えるという話

ここもすごく大事だ。

もちろん、ボーカルでもギターでも何でもそうだけど、ダイナミクス、つまり抑揚や幅があること自体はすごく素敵だ。平坦じゃないことは音楽の魅力でもある。

でも、あまりにも極端に大きいところ、例外的に飛び出すところ、逆に極端に小さすぎるところが多いと、後からものすごく扱いづらい。

だから大事なのは、
レコーディングの段階で、なるべく例外(イレギュラーなダイナミクスレンジ)が起きすぎないように録ること。

もちろん、その後にコンプレッサーやリミッターで粒を揃えていくことも大切だ。でもその前に、録音の時点で極端な飛び出しや落ち込みが少ない方が、あとで圧倒的に楽になる。

もうひとつあえて極端だけど大事なこと言う。
音が大きすぎるより、小さい方がまだマシだ。
小さい音は後から上げられる。でも、大きすぎて割れた音は戻せない。
失った音の情報は、後から取り返せない。

もちろん小さすぎても、あるいみ、そもそも情報量が少ない。そいうい意味では同じかもしれないが、それは小さすぎる場合。それは困る。上げればノイズも乗る。だから何でも小さければいいわけじゃない。ちょうどいいところがある。でも、今回の主題として強く言いたいのは、

大きすぎて失うくらいなら、ちょうどいいくらいに小さい方がまだ救える

ということだ。

だからこそ、レコーディングの段階でダイナミクスレンジ、一番小さいところと一番大きいところをある程度コントロールしておく。さらに各トラックで必要最低限のコンプレッサーを使って整えていく。

よく「録音の段階で、一番大きいところが -10dB から -5〜-6dB くらいに収まるようにしておくと後が楽」と言われるのは、まさにそういうことだ。

後から全部の工程がやりやすくなる。
余白を守ったまま進められる。
失わなくていい音を守れる。


◾️余白がないミックスは、なぜ苦しむのか

ここが一番伝えたいところ。
そもそも、扱っているのは生の音じゃない。

デジタルのサンプルデータだ。
このデータは、0dBを超えた瞬間にどうなるか。

・クリップする
・リミッターで切られる

つまり何が起きるか。

音の情報が消える。

一つの音だけならまだいい。
でもミックスは違う。

複数のトラックが同時に鳴っている中で、誰かが一瞬飛び出した時、その瞬間の情報が削られる。消される。

コンプレッサーで潰され、
リミッターで切られ、
せっかく作ったニュアンス、アタック、表情が消えていく。

耳では気づきにくい。
なんとなく音楽として成立しているから。

でも実際は、
大事な音がたくさん潰れている。

悲しいすぎるよな。


◾️だから余白が必要

やるべきことは明確。

・レコーディング段階で粒を揃える
・各トラックで必要最低限のコンプ処理
・同系統はバスで軽く整える
・オートメーションで無理なく揃える

そして最後に
全体の音量を枠の中に収める。今日はこれを、大事にしてほしいということを主眼にした記事だ。

これがミックス。


◾️マスタリングのために余白を残す

音量を上げる作業はどこでやるのか。
👉 マスタリング

ここで初めて、ギリギリまで詰める。
ミックスの段階でそれをやってしまうと、
もう上げる余地がない。削るしかなくなる。

だから

👉 音量を上げる楽しみは最後に取っておく


◾️初心者がハマる罠

音が大きい方が良く聞こえる。
これは事実。

だから上げてしまう。
でもそれは罠。

ミックスでそれをやると、
必ず後で苦しむ。


◾️ミックスの本質

ミックスは音を足す作業じゃない。
枠に収めて、単体でも相対的関係性でも整える作業。

余白を残すこと。
枠の中に収めること。

すべての音の情報を守ること。より、自然に、輝かせること。
これができて初めて、

最後に最高の仕上げができる。

こういう考え方は、過去に書いてきたミックスやマスタリング、LUFS、ダイナミクスレンジの記事とも全部つながっている。もっと細かい設定や詰め方は、過去の記事もあわせて読んでもらえると、全体像がもっと見えやすくなると思う。


さあ、今日はここまで。音楽制作、やっぱり楽しいよね。
今日も自分の心の音を大切に。

愛と感謝を胸に。
バイバイ。


松永 修 – MUSICおさむ

松永 修|MUSICおさむ|国家公務員|キャリアコンサルタント|作家・メディアクリエイター/音楽クリエイター(シンガーソングライター)|IT・AI設計・コンサルタント

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