日々のことば(ブログ)

✍️給料が上がっても、なぜ豊かになった気がしないのか|物価高、利上げ、投資の時代に「本当の豊かさ」を整理する

おはよう。今日は経済の話をしたい。ここ最近、「賃上げ」「物価上昇」「ガソリン代」「利上げ」「NISA」「iDeCo」みたいな言葉を、ニュースでもネットでもよく見かけるようになった。なんとなく景気が動いている感じもするし、給料が上がるという話だけを聞けば、少し前向きな空気にも見える。でも、実際に日々の暮らしの中で買い物をしたり、家計を意識したりしていると、「本当に僕たちは豊かになっているのか」と聞かれると、案外すぐには答えられない。むしろ、前より分かりづらくなっていると感じる人の方が多いのではないかと思う。今日は、その分かりづらさを一度整理してみたい。少しでも、いまの状況を落ち着いて見直すきっかけになればと思う。


◾️給料が上がれば豊かになる、という単純な話ではなくなっている

昔から、給料が上がれば生活はよくなる、という感覚はわかりやすかった。実際、それ自体は間違いではない。ただ、今はそこに物価上昇が重なっている。給料が上がっても、食料品や日用品や光熱費など、生活に直結するものの値段がそれ以上に上がっていれば、体感としては楽にならない。むしろ苦しく感じることさえある。額面だけ見ると上がっているから、なんとなく得したような気持ちにもなる。けれど、実際に買えるもの、選べるもの、我慢しなくていい範囲が狭くなっていたら、それは金銭的な意味では豊かさが増しているとは言いにくい。結局は、賃金と物価のバランスの問題だという、ごく当たり前の話に戻るのだが、その当たり前が案外見えにくい。


◾️いまは判断材料が多すぎて、普通に暮らしているだけでは整理しきれない

さらにややこしいのは、賃金と物価だけで話が終わらないことだ。金利もある。利上げが進めば、預金金利には多少プラスに働くが、住宅ローンや各種借入には重くのしかかる。運用の話もそこに重なる。物価が上がるなら、現金で持っていても目減りするから、投資した方がいいという話が出てくる。そこでNISAやiDeCoが勧められる。ところが、実際には世界情勢や相場の変動で、昨日まで含み益だったものが今日は含み損になることもある。数字に強い人や、資産全体を長期で設計できる人ならまだしも、普通に働いて、家庭を回して、日々をこなしている人が、その全部を追いかけて冷静に判断し続けるのは簡単ではない。だから、なんとなく給料が上がったことを喜び、なんとなく物価高に疲れ、なんとなく投資の話に惹かれ、なんとなく不安になる。今の時代は、その「なんとなく」が起きやすい構造になっている。


◾️少し増えたように見えるお金が、本当に豊かさを増やしているとは限らない

ここも勘違いしやすいところだと思う。貯金をしていても、金利はまだそれほど大きくないから、増えた実感はほとんどない。一方で、投資信託やNISAの画面を見ると、数千円でもプラスになっていれば得したような気持ちになることがある。ところが、相場が少し荒れれば簡単にその程度の含み益は消えるし、見方によっては「一喜一憂して終わっただけ」ということも珍しくない。もちろん、長期・分散・積立という基本が大事だという話はその通りだし、それを否定するつもりはない。ただ、それは余裕資金があり、短期の上下に振り回されずに続けられる人にとって意味を持ちやすい。逆に、資本が大きくなく、短期で結果を求め、分散も不十分なまま中途半端に手を出すと、運用というより投機に近くなってしまう。一般の人がそこに無防備に入っていくと、思っている以上に怪我をしやすい。


◾️結局、庶民の生活感覚としての豊かさは「安く、良いものが手に入ること」に近い

難しい理屈をいったん脇に置くと、一般の生活者にとっての金銭的な豊かさは、かなり素朴なものだと思う。必要なものを無理なく買えること、値段と品質のバランスに納得できること、あまり考え込まなくても生活が回ること。つまり、コスパがよく、生活に余白がある状態だ。逆に言えば、同じ収入でも、以前より「高いな」「今はやめておこうかな」と思う場面が増えているなら、それは感覚としての豊かさが下がっているということでもある。賃上げのニュースだけを見て安心しすぎるのは危ういし、投資で少し数字が動いたことだけで得した気になるのも危うい。大事なのは、結局いまの自分の暮らしがどうなっているか、使えるお金と買えるものの関係がどう変わっているかを見ることだと思う。


◾️こういう時代ほど、まず支出を整えるという地味な判断が強い

派手な結論ではないけれど、やはり基本は変わらないとも思う。無理に増やそうとして動き回るより、まずは支出を整える。必要以上に使わない。コスパが悪いと感じる時期は、支出を抑える。これらは地味だが、結局かなり強い。世の中には、こういう局面でも利益を取る人がいる。資本が大きい人、先に動いた人、長期で耐えられる人、情報と胆力のある人。そういう人がいるのは事実だし、誰かが損する時に誰かが得しているという面もたしかにある。ただ、それを見て、こちらも中途半端に真似をしようとすると危ない。自分の体力も資本も時間も限られている中で、本当に守るべきものは何かを考えると、一般庶民にとっては、まず家計を安定させること、無駄を減らすこと、焦って勝負しないことの方が、ずっと現実的で再現性が高い。


◾️難しい時代だということを、まず自覚しておくことが大事

今日いちばん言いたいのはここかもしれない。今は、単純に「給料が上がったからよかった」「投資しているから大丈夫」「預金しているから安心」と言い切れる時代ではない。いろいろな要素が絡み合っていて、普通に暮らしているだけでは全体像が見えにくい。だからこそ、なんとなくの雰囲気や、一部分だけを見て錯覚しないことが大事になる。賃上げがあっても、物価との関係を見なければいけない。利上げがあっても、自分が借りる側なのか貸す側なのかで意味が変わる。運用の話も、長期で考えるのか短期で動くのかで別物になる。つまり、今は「難しい」という前提に立っていた方が、かえって判断を誤りにくい。

世の中には、わかりやすい言葉で背中を押してくる情報がたくさんある。でも、わかりやすすぎる話ほど気をつけた方がいい。自分の暮らし、自分の家計、自分の価値観に引きつけて考えないと、結局は誰かの都合のいい方向に流されてしまう。だからこそ、こういう時代には、自分なりの基準を持つことが大切なんだと思う。派手に増やすことより、減らさないこと。焦って動くことより、土台を固めること。そういう感覚を持っているだけでも、かなり違うはずだ。

さあ今日も、世の中を少し俯瞰しながら、一生懸命生きていこう。何が上がって、何が下がって、何が本当に自分にとっての豊かさなのか。それを考え続けることが、自分自身の選択を変え、大切な人たちとの暮らしを守ることにつながっていくと思う。愛と感謝を胸に。ではまた。


松永 修 – MUSICおさむ

松永 修|MUSICおさむ|国家公務員|キャリアコンサルタント|作家・メディアクリエイター/音楽クリエイター(シンガーソングライター)|IT・AI設計・コンサルタント

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