おはよう。今日もいい天気だ。
今日も僕にとって特別な一日。家族と目いっぱいスキンシップを取って、素敵な時間を積み重ねたい。
そんな始まりの朝に、今日はずっと書きたかった話をしようと思う。
テーマは ギターメーカー「テイラー(Taylor)」。
今僕が使っている相棒もテイラーだ。もう十年近く弾き続けてきた一本で、どんな時期も一緒に歩いてくれた。そして次に狙っているギターも、やっぱりテイラーになる気がしている。もちろんマーチンもギブソンも大好きだし、それぞれに唯一無二の魅力がある。たくさんのギターを渡り歩く楽しさも知っている。でもそのうえで、どうしてもテイラーに惹かれてしまう理由がある。
さあ、今日はその話をしよう。
若いブランドだからこそ生まれた“テイラーという思想”
テイラーが生まれたのは1974年。カリフォルニア州エルカホンの小さな工房から始まった。
マーチン(1833年創業)、ギブソン(1894年創業)と比べたら圧倒的に若い。それなのに、この50年で世界のアコギ界を代表するブランドに成長した。
若さゆえのしがらみのなさ。伝統に縛られず、クラフトマンシップと工業精度を同時に磨き続けた。
その姿勢が“テイラーらしさ”になっていった。
アメリカ本社では300シリーズ以上の上位モデルやカスタムを、メキシコ工場では100〜200シリーズやGS Miniをつくる。どれを手にしても品質の個体差が少なく、安心して選べる。これは現代のメーカーとして大きな強みだ。
弾きやすさは偶然じゃない──NTネックという進化の証
テイラーを弾くと、多くの人が口をそろえて言う。「弾きやすい」。
でもこれは偶然の結果じゃない。
NTネック(New Technology Neck) と呼ばれる構造がすべての中心にある。
一般的なアコギは、ネックを接着して固定するセットネック方式。年月と共にネック角度が変わり、弦高が上がり、いずれ大きな修理が必要になる。
テイラーはそこを大胆に変えた。
ネックは完全に“ボルトオン”。専用パーツで角度調整ができ、メンテナンスが圧倒的にラクになる。それでいてアコギらしい鳴りはしっかり残す。
エレキの合理性とアコギの豊かな響き。その両方を取ったのがテイラーの哲学だ。
Xブレーシングか、V-Classか──音の違いはこういうことだ
アコギの音を決めるのは、トップ板の裏の「ブレーシング(力木)」だ。
● Xブレーシング
マーチンを中心に、100年以上アコギ音の“王道”を作ってきた構造。
分厚く、温かく、深い。フォークやバラードにぴったりの世界観。
ただし、縦と横の振動が干渉しやすく、コードで少し濁りが出ることもある。それも味だ。
● V-Classブレーシング
テイラーが2018年に発表した新構造。
振動を縦方向に伸ばし、コードの濁りを最小限に抑える設計になっている。
結果は明確だ。
澄んで、明るく、サスティンが長い。ピッチが揺れず、歌ものやポップスに抜群に合う。
どんな和音もクリアに響く。
これがテイラーの音の“現代性”だ。
300シリーズ以上から見えるテイラーの本気
100〜200シリーズも素晴らしいが、300シリーズ以上に入るともう“次元が変わる”という感覚がある。
木材の質が一段上がり、トップの鳴りもぐっと豊かになり、ピッキングのニュアンスがそのまま音に反映されていく。ライブでも録音でも、自分の意図が正確に形になる。
斉藤和義をはじめ、多くのプロが上位モデルを選ぶ理由も、この“反応の良さ”と“音の精度”にある。
814ce V-Classはまさにテイラーの完成形のひとつといえるが、さらに上位の914ce V-Classになると、使われている木材そのものが極めて上質で、音にも明確な“高級感”が宿る。
同じテイラーでも、上位クラスの一本には別世界の深みと洗練がある。
T5シリーズ──日本のステージに広がった一本
そしてテイラーで忘れてはいけないのが T5 / T5z。
エレキ×アコギのハイブリッドという唯一無二のモデルだ。
特に日本では、MIYAVI氏がT5を操る姿が強烈なインパクトを与えた。
スラップ奏法との相性、ステージ映えするシェイプ、音作りの幅の広さ。
「こんなギターがあるのか」と多くのプレイヤーを沸かせた。
このT5こそ、「テイラー=現代性」というイメージを象徴する1本だ。
音のキャラクターの違い──大雑把に言えばこういう世界だ
ギターのブランドには、それぞれ育ってきた“土壌”がある。
ざっくり言えばこんな感じだ。
マーチン
温かく、太く、深い。
しっとりした歌もの、フォーク、バラードに最高。
ギブソン
中域が前に出て、ロックの血が自然に流れる。
ストロークが映え、アタックに芯がある。
テイラー
クリアで明るく、澄んで伸びる。
コードの濁りが少なく、歌を邪魔しない。
現代ポップやJ-POPと理想的に馴染む。
僕は大雑把に、
しっとり歌ものはマーチン、
明るい歌ものや繊細な表現はテイラー、
ロック寄りのアタックはギブソン。
そんなイメージを持っている。
ただし、ハイエンドクラスになったらもうジャンル分けなんて関係ない。
どのブランドにも独自の良さがあり、どれだって“料理次第”だ。
音というのは出会いだ
最後に、これは本当に大切なことだ。
ギターというのは個体差が大きい。同じシリーズでも一本一本で響きが違う。
気に入ったモデルを見つけても、ネットで一番安い店を探して買ってしまうと、
「同じはずなのに、あれ?なんか違う…」
そんなことも普通に起きる。
だからこそ、
必ず自分で手に取って試奏すること。
言葉にできなくていい。理屈なんてなくていい。
自分の胸の奥に“ズドン”と響いてくる一本。
それがあなたのギターだ。
楽器との出会いは、人との出会いに似ている。
その一本が、あなたの歌や音楽を一気に成長させることがある。
今日も大切な人と、温かい時間を過ごしてほしい。
同じ空の下で、愛情を交わしながら、最高の一日を育てよう。