おはよう。朝の通勤途中の空を見上げながら、今日もまた、家族のことを想っている。
僕には愛する子どもたちがいる。年齢はばらばらで、乳児期、幼児期、児童期、そして青年期に差しかかる子までいる。これだけ幅広いステージを同時に見守れるのは、もしかしたら奇跡みたいなことなのかもしれない。
でも──今日伝えたいのは、成長していく子どもたちの発達段階に向き合う中で、親である僕自身がどのような発達ステージを歩んできたか、ということなんだ
◾️子どもが大人になる姿を、僕はずっと想像できていなかった
子どもを育てるというのは、心理学でいう「親の役割獲得」のプロセスだ。子どもが生まれ、乳児期の無力な存在と向き合う中で、親は「保護者」という役割を学び、自分のアイデンティティの一部にしていく。
でも──そのアイデンティティは、どこかで止まっていた。正直なところ、僕の中には「子ども=可愛い存在」「子ども=育てるべき対象」というイメージが強くて、“子どもが大人になる”という未来を、現実味を持って想像できなかったんだ。
それは、たぶん今を懸命に生きていた証拠でもある。目の前の泣き声、笑顔、小さな手──それだけで胸がいっぱいで、その先の未来なんて、描こうとしてもぼんやりしていた。
◾️やがて訪れる“逆転”──親の老いと、子どもの自立
でも、子どもたちは確かに成長していく。
青年期に入り、自分で考え、自分の言葉で話し、自分の世界をつくり始めている。そして僕自身は、発達心理学でいうところの「中年期」にいる。
この「中年期」というのは、エリクソンの発達段階で言えば“生殖性 vs 停滞”の時期。次世代を育てることで、自分の存在意義を確かめようとするフェーズだ。つまり、「自分のために生きる」から「誰かのために生きる」へと、価値観がシフトしていく時期。
それを、僕はまさに実感している。
子どもを育てる時間は、次第に「共に歩む時間」へと変わり始めた。大人になっていく子どもたちと、人生を語り合う関係。ときには、助けてもらう関係にすらなるかもしれない。
◾️「育てる親」から「一緒に味わう親」へ
僕たちはよく、「子育てが終わった」とか「手が離れた」とか言うけれど、それは本当だろうか。育てるステージが終わったあとに訪れるのは、「味わうステージ」だと僕は思っている。
むしろ、青年期・成人期の子どもたちと過ごす時間は、親子としての“真の対話”が始まる時期でもある。
そこに訪れる味わい──それは、幼い頃の可愛さとはまた違う、深い感動がある。
そして、その深い対話が可能になるかどうかは、子どもが乳児期・幼児期・児童期、そして青年期へと育つなかで、どれだけ信頼関係を積み重ねてこられたかにかかっている。
心から腹を割って語り合える親子関係は、日々の丁寧な関わりの積み重ねの先に、ようやく芽吹くものだと思う。
◾️自分の親を見て、初めてわかることもある
僕の両親は今、老年期に入っている。
そして僕は、その子どもとして、支える側に立ち始めている。こうして、世代はめぐっていく。
僕もまた、子どもたちから見た「中年の親」になった。いずれは「老いた父」になっていく。
この流れは誰にでも訪れる。でも、“そのとき、そのときの今”をちゃんと意識して生きているかどうかで、時間の質はまるで違ってくる。
僕は今、このプロセスを一つひとつ意識して噛みしめている。子どもたちが自立していく過程、僕自身が歳を重ねていく過程、抱きしめた過去、大切な今、そして予測不能な未来──どれもが尊い時間だと思う。
◾️僕の人生は、すでに大成功だ
正直に言うと、もうこれ以上何もいらないくらい、宝物を残した。たくさんの我が子たち。唯一無二の子孫を、一般の人よりも多く。しかも全員、健康で幸せそうで、それぞれ豊かな生活を送っている。
もちろん、まだまだやりたいことはあるし、夢もある。でも、「我が子たちに自分の愛をまっすぐに届けられた」という実感が、過去にも、今にも、確かにある。未来に対しても、その自信がある。
僕の生きた証、幸せの証は、愛する子どもたちそのものだ。共に歩んできた時間が、僕の人生の証明だ。
それを思うと、もういつ死んでもいいくらいだ──なんて言ったら大げさかもしれないけれど、それほどに今の人生に満ち足りている。
僕の願いはただひとつ。みんなが健康で、笑顔で、そして自分の人生をちゃんと生きていけますように。
◾️今日も同じ空の下で
みんなそれぞれの場所で、それぞれの人生を懸命に生きている。でも、空はつながっている。
どんなに離れていても、同じ空の下にいる。それが、僕にとって大きな支えだ。
愛しているよ。今日もありがとう。
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