今朝は、なんだか嬉しくてたまらなかった。ワクワクして、ドキドキして、心が小さく跳ねている。
それは、自分の中で「久々にステージに立とう」と腹をくくったから。言うなれば、育児休業からの一時復帰みたいに、緊張と恐怖が入り混じる中で気合いを入れ直した瞬間だった。怖さと真正面から向き合いながら、武者震いのような刺激とともに心が震えていた。
以前は、日々人前でたくさんライブしてきた僕も、ブランクが開くとやっぱり鈍る。だからこそ怖い。
でも、その恐怖から逃げなかった時点で、挑戦はもう始まっていた。
不安とプレッシャーでストレスを感じながらも、生活の中で脳も体も、まるでスイッチを押されたかのように統合作業を始めた。
これまでの音源制作、音響ルーティン、機材の知識、作詞作曲、弾き語り、ライブ表現…積み重ねてきた経験が今、再起動する。
特に、昨日から今朝にかけてたくさん歌ってみて感動したことがある。
ずっと続けてきた25年越しのボーカルトレーニング。その技術と知識が、今ようやく磁石のように結びついてきた。涙が出そうなほど、嬉しかった。
◾️10代からの課題が、今ようやくほどけ始めた
正直、10代の頃から自分の歌声は好きだった。でも、どこか「素人から一線を越えられない壁」があった。
自分の“味”は信じていた。「あの感覚なら、きっと誰かを惹きつけられる」──でも、あと一歩の領域に届かない。
出したい声が出ない。歌いたいように歌えない。そんなもどかしさがずっと残っていた。でも今、原曲キーで歌える曲が増えてきた。
ただ出るようになったのではない。どう出すか、なぜ出せなかったのか──その答えが見え始めてきた。もちろん、まだ道半ばだ。
つまり、感覚と理論の両方で、歌を“設計”できるようになってきた。たとえば発声・呼吸・母音処理・声帯コントロールといった基本に加えて、「ヒーカップ」「しゃくり」「フェイク」「こぶし」「フォール」といった技法の取捨選択。口腔で響かせるか、胸で響かせるか、頭で響かせるか。
同じミックスボイスでも、響きの位置や深さを調整できるようになった。ビブラートも、フレーズの語尾だけでなく、1音1音の“言葉”に揺らぎを与えられるようになってきた。息もまわるようになって、響きや抜けにも意識が届く。そう、自分の声で“描ける表現”が、確実に増えてきた実感がある。
◾️張り上げから“響き”へ──ダイナミクス概念の進化
何より大きな進化は、「盛り上げ=張り上げ」という固定観念が、完全に書き換わったことだ。
10代の頃、僕はパンクロックに夢中だった。憧れのシンガーがサビで叫ぶように歌う姿に、青春を重ねていた。
でも今ならわかる。あれは“パフォーマンス”であり“演出”でもあったのだと。もちろん、本当に張り上げていたパターンもあるだろう。でも数時間にわたるライブでそれを続けるのは現実的じゃない。
本当は、魅せ方・聴かせ方──つまり表現技術の話だった。当時は気づけなかった。僕を長く悩ませていたのは、そうした先入観だったのかもしれない。歌なんて、素人は「思い込み」で構成されている部分が大きい。
でも、たった一度でも信頼できるプロからのフィードバックがあるだけで、そのバイアスは一気に補正される。
昔の僕は、サビになると声を張り上げて歌っていた。でも今は違う。AメロやBメロでは、むしろ音量を落とし、“間”と“揺らぎ”で空気を支配する。そしてサビでようやく“通常のボリューム”に戻す。
サビすら余裕を持って響かせる──それだけで、じゅうぶん感動は届けられると気づいた。それ以上の音量は、マイクとの距離、マイキング、PAのフェーダーの領域だ。
むしろ、どう響かせるか。どう空間を震わせるか。マイクの角度や距離を調整し、喉のフォームを変えることで、高音でも柔らかく深い倍音を残す。
「大きな声」ではなく「豊かな響き」。これが、今の僕の歌唱の軸になっている。
◾️挑戦が、人を変える
今回、一年のブランクを経て、久しぶりに“人前の舞台”に立つという明確な目標ができた。それは恐怖でもあるけれど、何よりも大きな推進力になった。
音楽への情熱は、決して揺らいだことはない。目標ができた瞬間から、自然と逆算が始まる。どの曲を仕上げ、どう表現し、何を整えるか。すると、これまで後回しにしてきた学びが一気に統合されていく。まるで「脳のCPU」が再起動し、知識と技術が次々とつながっていくような感覚だった。
これは明らかに“挑戦”が引き起こした化学反応だ。挑戦しないと、人は大きく進まない。でも挑戦した瞬間、人は変化し始める。
◾️まだ未熟でも、変化は始まっている
もちろん、まだ結果なんて出ていない。まだ音楽の育児休業中である事は変わらない。怖さも、完全には消えていない。でもその分、「ワクワク」が大きくなってきた。
自分はまだ不完全で、未熟だ。でもだからこそ、成長の喜びがある。ひとつひとつ準備をして、ひとつひとつ自己効力感を積み上げていく。
それが、僕のワクワクの源だ。そして本気でやったことは、成功でも失敗でも、すべて“経験”として残ると信じている。
さあ、今日も一歩ずつ進んでいこう。日中は仕事に集中して、夜は音楽を嗜む。オリジナル曲の音源制作やアレンジ──時間がかかって骨の折れる作業だけど、それすら楽しみたい。
僕の大切な家族、子どもたち。愛してる。みんなもそれぞれの現実のなかで、自分の脳内世界と向き合い、一生懸命生きている。
その姿を思うと、僕ももっと前へ進みたくなる。一緒に、ゆっくりでも歩いていこう。
みんな、本当にありがとう。今日も頑張ろう。
- ✍️お酒を“飲まない”という生き方──飲みたくても、それでも続けて2年。そこで見つけた自由と安心のかたち。

- ✍️鏡の中の白い光──変わっていく自分を受け入れる朝

- ✍️あなたの意見は“本当に自分の意見”か──グループダイナミックスが操る無意識の力

- ✍️権力とお金の欲望──得る前に“足るを知る”ことが人を自由にする理由

- ✍️なぜ僕たちは“ちょっとくらい”を繰り返すのか──嘘とルール違反の同じ構造、そしてルールの意味を思い出す日

- ✍️嘘の正体──人が嘘をつく7つの心理パターンと、心の深層構造

- ✍️同時にいろんなことを考えて疲れるあなたへ──脳の仕組みを知ると楽になる

- ✍️親もまた発達する──愛は「続ける」ではなく「更新する」もの

- ✍️愛しているのに、傷つけてしまう親たちへ──言葉と態度がすべてを決める

- ✍️父と子のあいだに流れるもの──父と子の心の連鎖

- ✍️アンガーマネジメントの最終段階 ─ 正論を言わなくても揺らがない自己一致の力

- 心をひとつに──家族と生きる日々

- ✍️敬老の日に寄せて──家族を思う静かな時間

- ✍️選択のパラドックス──人生の分岐点と意味づけ

- ✍️人間関係こそ最大の資産──幸福も健康も“他者”で決まる

- ✍️VUCAの時代を生き抜く──心理学と科学が示す「適応力」と“折れない心”

- ✍️ 「私はどう老後を過ごすのか」──介護の現実と“意思を残す”という最後の備え

- ✍️心をつなぐ根っこ──家族の深い愛情

- ✍️帰省しない時代のお盆──変わる供養、変わらない想い

- ✍️健康は特権か?人間ドックで見える社会の輪郭

- ✍️親子の時間は、変化しながら続いていく

- ✍️「発達障害」という地図を持つということ―脳の特性と向き合う時代へ

- ✍️「保険って、ほんとに必要?」──“文化”までさかのぼって見えてきたこと

- ✍️目標と挑戦のトリガー──今、すべてが統合されていく

- ✍️かたちを超えて、家族はつながる──多様な時代における愛のかたち

- ✍️あなたの「意見」は誰のものか──トランプ現象に見る、群衆心理と“水に染まる”生き方

- ✍️過去は“今ここ”で完結する。ふと思い出す記憶と、心の再統合のために

- ✍️誰にも見られない自由、誰かに見られる苦

- ✍️答えは、いつも“幹”にある。

- ✍️AI時代に必要な「人の声を聴く力」──人間と共に育つ支援のかたち
