おはよう。今日はいい天気。驚くほどセミが鳴いている。
セミはその生涯のほとんどを地中で過ごす。残されたほんの数日だけ、地上で声を張り上げ、命を燃やす。その大合唱が聞こえるこの時期は、彼らにとっての“最期の営み”。切なくて、尊い夏の風物詩だ。僕ら人間の時間軸とは違うその命の濃さに、今朝はなんだか心を打たれた。
さあ、今日の話題は──集団の心理学とリーダーシップ、そして僕たちの生き方について。朝からそんなことを考えていたので、ここに綴っておきたい。
◾️グループダイナミクスと「群衆の意思」
社会心理学において、「集団」は単なる人の集まりではなく、独自の“心”を持つ存在として機能するとされている。
たとえば、グスタフ・ル・ボンの『群衆心理』はこう語る。「群衆は理性を失い、本能に支配される。個人の知性は群衆の中で埋没し、衝動と感情に駆動されるようになる」
このとき、個々の理性的判断は薄れ、感情と同調圧力が増幅されていく。SNSや選挙、大衆運動──現代社会のあらゆる場面に、この「グループダイナミクス」が顔を出す。それは国単位の政治だけでなく、地域、企業、家庭、ネットのコメント欄にさえも浸透している。
◾️トランプ現象をどう読み解くか──カリスマ的リーダーの社会構造
社会学者マックス・ヴェーバーは、支配の正統性を「伝統的支配」「合法的支配」「カリスマ的支配」に分類した。ドナルド・トランプの登場はまさにこの「カリスマ的支配」の顕現といえる。制度や慣習を無視し、圧倒的な自己信念と発信力で既存秩序を破壊しながらも、人々の期待と怒りを吸い上げていく。
「言ってはいけないことを言う」「既得権益を叩く」「敵と味方を明確に分ける」──これらは心理的には“浄化作用”として群衆に作用する。人々は「正論」よりも「痛快」を求め、「理性」よりも「共感」で動く。これは民主主義の成熟とは逆行しているように見えるが、実はその内在的な矛盾を露呈しているとも言える。
◾️経済的不満と「反エリート」の土壌
経済学的視点でいえば、トランプ現象の背景には格差の拡大と中間層の没落がある。
たとえばアメリカでは1980年代以降、実質賃金の停滞と資本の集中が進行し、大都市と地方、白人労働者と多様化社会のあいだに深い断絶が生まれた。
このとき、「グローバル化」と「自由貿易」によって恩恵を受けた層と、仕事を奪われ、誇りを失った層のあいだに、心理的・文化的な亀裂が広がっていく。
トランプの打ち出す保護主義的関税政策や、国内回帰のスローガンは、まさにその「怒れる声なき人々」にとっての代弁となった。つまり、経済的不平等が政治的ポピュリズムと結びついた結果がトランプ現象であり、それは日本でも、他の民主国家でも十分に起こりうることなのだ。
◾️どの水に泳いでいるかを意識せよ
このような構造的な時代のうねりの中、僕たち一人ひとりもまた、どこかの集団に属し、どこかの空気に影響を受けながら日々を生きている。
国家レベルの政策、所属する職場や業界の文化、家庭や地域での価値観、SNS上のコミュニティバイアス──こうした“水”の中に、僕たちは常に浸っている。そしてその“水”に染まりながら、「これが自分の考えだ」と信じていることがある。
心理学者カート・レヴィンは「人間の行動は個人と環境の相互作用で決まる」と言った。だからこそ、「自分がどの環境に身を置いているのか」を俯瞰し、定期的に見直すことが必要なんだと思う。
◾️だから僕は、操作されるのではなく、“意識して取り入れる”
完全に中立で生きることなど、もはや不可能だ。情報は操作され、感情は煽られ、現実は演出される。だから僕は、操作されるのではなく、“意識して取り入れる”。それが、今この時代を、後悔せずに生きていくための自衛であり、そして武器だと思う。
そういった視点こそが、これからの社会を生きる子どもたちにとっても、自分自身にとっても、本当に必要な「知性」なのかもしれない。
◾️”伝える”ということの重みと、今日の僕の現場
そして──こうしたテーマを、僕はもっと深く、もっと分かりやすく、色んな形で届けていきたいと思っている。
実は明日、仕事で僕が一人で全体を任されたオンラインセミナーが開催される。100人を超える参加者が集まってくれる。内容の構成からスライド、台本まですべて毎回自分でつくっている。今日はその最終リハーサルだ。
テーマは、ある法律の直近の法改正に係るポイントを説明するものだ。もちろん僕の個人的な思いなどは差し控え、淡々と行う予定だけれど、その中にも、僕個人の温度や願いはしっかりと込められている。それは、真剣に聞いてくださる方には、きっと間違いなく届く。僕はそれを信じているし、丁寧に言葉にして届けたいと思っている。
今日も、そんなことを考えながら、一日を過ごしていきたい。
家族も仲間も、みんなそれぞれの場所で、それぞれの課題に向き合っている。
その日々のひたむきさが、僕の誇りだ。
今日も同じ空の下で、僕たちはつながっている。心はいつも隣にある。
愛してる。またね。
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