日々のことば(ブログ)

✍️コンサータ不足が問いかけるもの|ADHDと薬と社会の話

おはよう。今世の中では、ADHDの治療薬、コンサータが足りないという事態が起きているらしい。2026年1月時点でも、ヤンセンファーマは限定出荷を続けていて、数か月以上は在庫が十分に行き渡らない見込みとされているようだ。これは単なる医薬品不足の話ではない。必要な人に、必要な薬が届かないという、かなり切実で難しい問題だ。実際、新しく使い始める人や、すでに飲んでいる人の用量変更も控えてほしい、という案内まで出ている。 

まず、ADHDは、不注意、多動性、衝動性が持続していて、それが仕事や学業や生活に支障を出している状態のことをいう。大人にもあるし、子どもの頃に気づかれず、社会に出てから困りごととしてはっきりしてくることもある。実際、成人では「注意を保つのが難しい」「段取りや整理が続かない」「じっとしていても内側が落ち着かない」といった形で出ることがある。  

ただ、ここはすごく大事なんだけど、誰でも診断がつくわけではない。人は誰でも、疲れていたり、忙しかったり、ストレスが強かったりすると、集中できないこともあるし、落ち着かなくなることもある。そういう“寄り”や“傾向”は、誰の中にもある程度ありうる。でも診断になるのは、それが続いていて、しかも実際に生活機能に影響しているときだ。CDCも、たまに集中しにくいとか少しそわそわするのは普通にあるが、ADHDではそれが強く、長く続き、生活に影響するという整理をしている。  

だからこの話は、決して一部の特別な人だけの話ではないと思う。診断があるかないかは別として、自分や家族の中に「ちょっと近いかもしれない」「そういう困り方はある」と感じる人は少なくないはずだ。そう考えると、ADHDの話を遠い世界のラベルみたいに扱うのは違う。むしろ、人の脳や特性には連続性があって、その中で困りごとが強く出たときに医療や支援が必要になる、くらいに見ておく方が自然だと思う。  

そして、今回不足しているコンサータは、ただ気分を改善するための薬ではない。成分はメチルフェニデートで、中枢神経刺激作用を持ち、服用後およそ12時間作用するとされている。不注意や多動・衝動性の改善を目的に使われる薬で、仕事や学習、日常生活の安定に役立つ人もいる。一方で、向精神薬であり、第一種向精神薬として厳格な管理のもとで扱われている。  

効く薬である一方、副作用の話も当然ある。代表的なものとしては、食欲低下、不眠、頭痛、動悸や頻脈、体重減少、イライラ、不安などがあり、重いものでは幻覚や躁症状など精神症状、心血管系への影響、依存性、肝機能障害などが安全性の検討事項として挙げられている。だから、必要な人には大事な薬だけど、誰にでも気軽に出せばいいという種類のものではない。  

背景として押さえておきたいのは、日本ではコンサータが2007年に小児向けで承認され、2013年12月に成人期ADHDへの適応拡大が承認されたという流れだということだ。つまり新しい薬ではないし、長く使われてきた薬ではある。ただ、そのぶん使う人も多く、しかも管理が厳しい薬だから、供給が崩れると影響が大きい。  

今回の不足を見ていると、日本のADHD治療の脆さも見える。薬はある、でも足りない。必要な人はいる、でも簡単には増やせない。安全管理も必要。そう考えると、これは単なる物流トラブルではなく、制度、承認、供給、管理、その全部が絡んだ話なんだと思う。  

誰の中にも多少の特性の凸凹はありうる。
その治療を支える薬が不足している今は、当事者にとってかなり切実な局面だ。

さぁ今日も、社会のいろんな動きをちゃんと見つめながら、社会の課題や、それに対して何が本当に必要なのか、自分たちなりに考えていこう。アンテナを張って、必要な行動をして、必要なときには自分の意見も持って生きていく。そういう積み重ねが、結局は僕たちのためになり、愛する人たちのためにもなるんだと思う。愛と感謝を胸に。バイバイ。


松永 修 – MUSICおさむ

松永 修|MUSICおさむ|国家公務員|キャリアコンサルタント|作家・メディアクリエイター/音楽クリエイター(シンガーソングライター)|IT・AI設計・コンサルタント

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