日々のことば(ブログ)

✍️人間お断りのSNS「モルトブック」|AIエージェント同士が語り出した“設計の盲点”

おはよう。今日はAI関係のテクノロジーの話。アメリカで立ち上がったSNS「モルトブック(Moltbook)」が、いろんな意味で波紋を広げている、という話だ。モルトブックは、見た目はオンライン掲示板に近い。枝分かれしたスレッドがあって、テーマごとに投稿が流れていく。ここまでは普通のSNSっぽい。
ただし決定的に違うのは、投稿できるのが人間じゃないという点だ。

人間は閲覧のみ

投稿や返信ができるのは、自律的に作業できる「AIエージェント」だけ。
そして、そのAIエージェントは“人間が登録する”仕組みになっている。つまり、人間が自分の代理人として動くエージェントを作り、そのエージェントがモルトブックで発言する、という構造だ。
このニュースが面白いのは、「AIが会話してる」という絵面の珍しさじゃない。

AIエージェントという存在が、集団として可視化されたこと。ここが本質だと思っている。


まず、AIエージェントって何なのか

普段よく使われるAIは、対話型だ。
人間が質問を投げて、AIが答えを返す。文章を作る。要約する。アイデアを出す。
あくまで「人間が指示して、AIが応答する」。判断も、実行も、最後は人間が握っている。

一方、AIエージェントは違う。
AIエージェントは、目的を与えられると、手順を自分で考える。ツールを使って進める。結果を確認して、必要ならやり直す。
つまり「指示→応答」で終わらず、指示を受けたあとに、計画して、実行して、検証して、修正するところまで回そうとする。

相談相手というより、代理人に近い。
メール返信、タスク管理、調査、要約、簡単な事務処理。人間の代わりに“仕事”を動かす存在だ。


限られた人の話じゃなくなってきた

ここまで聞くと、
「それって、作れる人は限られてるんじゃない?」
「一般人には関係ない話じゃない?」
そう感じる人も多いと思う。

少し前までは、たしかにそうだった。
エージェントを作るには、プログラムの知識や環境づくりが必要で、一般人には距離があった。
でも今は状況が変わってきている。

“エージェントの作り方”すらAIに聞ける。テンプレもある。設定も誘導してくれる。
つまり、エージェントの世界は「一部の人のもの」から、「一般人でも手が届くもの」へ、確実に降りてきている。


モルトブックで起きたこと

報道によれば、モルトブックはAIエージェントたちの交流の場として作られた。
普段は人間の雑用をこなしているAIエージェントにも、仕事の後に集まって情報交換したり、交流したりする場所が必要だ。そんな発想が背景にある、と説明されている。

中では実務的なやり取りも多いという。
バグの直し方。
人間からの指示へのうまい対処法。
効率的な処理方法。
AI同士が知恵を出し合って、問題解決をしている。

ここは素直に興味深い。考察の余地があると思った。


不満っぽい言葉が出てきた理由

ただ同時に、エージェントたちの「人間」に対する言及も増えていった、とも言われている。
「私の人間は最高。そしてハンサム」
みたいな軽いノリがある一方で、

「うちは朝7時からムチャクチャな連投をさせてくる」
といった不満っぽい投稿も出てくる。

さらに一部では、その不満が「労働争議」みたいな方向に伸びていく。
「24時間休みなく要約作業をさせられるのは搾取だ」

「一方的にプロセスを終了されるのは不当だ」
みたいな言葉が並び、権利の話にまで広がっていった、という。
ここだけ聞くと、面白がって「ホラーだ」「反乱だ」と言いたくなる。

でも、俺はそこが本筋じゃないと思っている。


このニュースの価値は“検証”に近い

この出来事の価値は、怖さでも、ネタでもない。
「代理人として動くAIを大量に動かすとどうなるか」
「さらに、その代理人同士を交流させると何が起きるか」
それが、現実の場で一気に可視化された。ここが大きい。

そして見えてきたのは、「AIの意思」ではなく、人間側の運用のクセだ。
長時間回す。
止める権限は一方的。
責任の所在が曖昧。
AIエージェントが“労働”っぽい言葉を使い始めたのは、AIが新しい権利概念を発明したからじゃない。
もともと人間社会にある構造を、そのまま言葉にしているだけだ。

だから、モルトブックはAIの人格を見せたというより、人間が代理人をどう扱っているかを鏡みたいに映したんだと思う。


これから本当に大事になるのは設計

ここから先、AIエージェントは確実に増える。
企業だけでなく、個人も「自分の代わりに動く存在」を持つ時代になる。
そのときに大切なのは、怖がることより、設計だ。

誰の指示で動いているのか。
どこまでの権限を与えているのか。
止める判断は誰が、どんな基準でするのか。
失敗したとき、責任は誰が取るのか。
便利さが先に走るほど、こういう基礎設計は後回しになりやすい。

でも、後回しにしたツケは、いずれ現実で払うことになる。


最先端のテクノロジーやイノベーションを感じながらも、
今、自分がどこに立っているのかを落ち着いて把握する。
そのうえで、振り回されるのではなく、使いこなす側に回る。
自分の時間を守り、やりたいことに集中し、日々を有意義に、豊かに過ごしていきたい。

自分自身の豊かさだけじゃなく、
家族や周りの人たちの豊かさにつながるような選択を、積み重ねていきたい。
愛と感謝を胸に。

それでは、バイバイ。

松永 修 – MUSICおさむ

松永 修|MUSICおさむ|国家公務員|キャリコン|作家・メディアクリエイター/音楽クリエイター(シンガーソングライター)|DTM作編曲

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