おはよう。今日は雪は降っていないけれど、とても寒い朝だ。
昨夜はよく眠れた。ただ、久しぶりに眠りの後半でたくさんの夢を見た。最近、夢から抜け出すのが上手くなったと感じている。昔は一度夢を見始めると、朝方までそのまま夢の中をさまよい続けてしまい、良い夢であれ悪い夢であれ、目が覚めた時には脳がどっと疲れていることがよくあった。でも今は違う。夢を見ていると気づいた瞬間、「目を覚まそう」と意識できるようになった。トイレに行ったり、軽く背伸びをしたりして脳をリセットする。そして、体勢を整えて布団をきちんとセットすれば、不思議とまたすぐに深く眠れる。この技を覚えてから、長時間夢に囚われることがほとんどなくなり、質の良い睡眠を取れるようになった。
とはいえ、たまにどんなにこの方法を繰り返しても、夢から解放されない夜もある。疲れている時、心が高ぶっている時、あるいは自律神経のバランスが崩れている時なのかもしれない。そういう時は、何度リセットを試みても脳が活動し続け、次々に違うシーンの夢が始まる。そんな日が明け方の3時半や4時なら、割り切って起きてしまう。脳が勝手に働き続けるなら、いっそ現実の作業――勉強や音楽制作、家事などにそのエネルギーを使った方が効率的だ。夜9時半頃から眠っていれば、すでに6時間以上の休息は取れている。体は十分に休まっているのだから、あとは脳を現実にシフトさせるだけでいい。
ただ、心地よい夢、懐かしい風景が広がる夢、愛しい存在が登場する夢のときは、目覚めることなくそのまま夢を楽しむこともある。夢だと気づいていても、わざとその世界に浸り続ける。それはとても特別な時間で、目覚めた後も胸の奥に温かく残り続ける。そんな夢は不思議と忘れないし、ふとした瞬間に思い出しては心が優しく包まれる。時には、その夢が現実の目標や願いへと変わることすらある。夢が新しい夢を生み出すことがあるのだ。カタルシスをもたらしてくれるような夢、心を動かす夢、そんな夢をたまには見て、ただ純粋に楽しみたいと思う。
今日は、僕にとって特別な日だ。月に一度か二度、自分の音楽活動について振り返り、特に「歌」について客観的なフィードバックを意識する日だ。普段は半月ほどのスパンで、一度決めた方向性に基づいて見識を深めたり、自己研究を重ねたりしている。でも、人は知らず知らずのうちに思い込みや偏りに囚われてしまうものだ。少しずつズレていく自分の感覚や視点に気づくためにも、定期的に外部の意見や情報を取り入れることが必要だと感じている。自分だけの価値観では見えない「盲点」を、誰かの情報がそっと照らしてくれることがあるからだ。
大人になると、こうした自己投資の機会は減ってしまう。仕事や家庭、日々の忙しさの中で、立ち止まって自分を見つめ直す時間を取るのは簡単なことではない。でも、だからこそ意識的に時間を確保して、自分自身と向き合うことが成長への近道になる。どれだけ努力しても、どれだけ考え込んでも気づけないことが、他人のたった一言で180度見方が変わることがある。その瞬間、今まで見えなかった景色が鮮やかに広がる。成長は、努力の量だけではなく、気づきの質にも大きく左右されるのだ。
このときに大切なのは、ソクラテスが説いた「無知の知」を自覚すること。自分が知らないことを知るという謙虚な姿勢を持つことが、新たな学びへの扉を開く。人の意見を受け入れるのは簡単なことではない。特に自分のこだわりやプライドが強い部分では、無意識に拒否反応が出てしまうこともある。でも、心を開き、素直な気持ちで他者の言葉に耳を傾けることで、思わぬ成長のきっかけが生まれる。ひとつの気づきが、やがて大きな変化へとつながるのだ。
フィードバックを意識する日は、今の自分では想像もできない新たな発見が待っている。どれだけ考えても自力ではたどり着けない視点や認識に出会うことができる。プロセスを終えた翌朝、自分の中に芽生えた新しい感覚に驚くこともしばしばある。今この瞬間には想像すらできない認識の変化が、数時間後の自分を待っている。まるで、別の世界の扉が静かに開かれるような感覚だ。
こうした経験は、音楽だけでなく、学びや人生そのものにも応用できる。自分だけで考えていては気づけないことが、人との関わりの中で自然と見えてくる。家族、友人、同僚、子どもたち…。特に子どもは、純粋な目でまっすぐに真実を伝えてくれる。時には厳しい言葉もあるけれど、その無垢な視点は大人では気づけない大切なことを教えてくれる。
今日もそんな気づきと向き合いながら過ごしていきたい。音楽も、生活も、仕事も、家族との時間も、すべてがかけがえのない瞬間だ。家族一人ひとりの顔を思い浮かべ、名前を呼び、笑顔を想像する。そのたびに、僕は心の奥で深い絆を感じることができる。みんなが元気で生きてくれている。それだけで十分、贅沢なことだと思う。心から愛している。大好きで、愛おしい存在たち。
さぁ、今日も精一杯頑張ったら、明日はまた祝日だ。だからこそ、今この瞬間を大切にして、心ひとつ、同じ空の下でつながっていることを感じながら過ごそう。今日もありがとう。バイバイ。