✍️レンゲの月

月見うどんの卵の黄身と、隣で笑う君。傷つきやすく破れやすい黄身は君であり、夜空に浮かぶ月の様。優しく、繊細で、守られるべき宝物。その卵黄を、そっと傷つかないように、破かないように、そっとレンゲで包み込む。温かいスープを決して君を傷つけて濁さない。君を破ることなく、周りの世界を濁さず澄んだまままで守ってあげたい。そして、暖かいスープで少し白くなった卵の白身がまるで雲のよう。時々、黄身は白い雲の影で泣いている。レンゲの中で笑う黄身。まるでとても愛おしい君の様。

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