おはよう。入院3日目の朝。昨日、無事に手術が成功した。
執刀医の話によると、膝の半月板を切開してみたところ、かなり断裂していて、長い年月をかけて傷んだのが感じ取れる「ぐちゃぐちゃ」な状態だったらしい。損傷部分を取り除きつつ、一般の人と同じような形に整えてくれたという。今朝、執刀医が術後の様子を見に来てくれた時、手術前には激痛で動かせなかった膝の角度が、昨日とは打って変わって痛みなく動くのに気がついた。もう2年以上も耐えてきた痛みのせいで、身体がパブロフのレスポンデント条件づけのように、膝の一定の角度に反射的な恐怖を感じてしまう。それが、先生の「もう痛くない、もう大丈夫」という言葉で、新たな反射反応を得た感じだ。信頼のおかげで、正しい動きがまた条件づけされ直されていく。今後、また怪我する前のように当たり前の膝の動きができるようになりそうだ。
残り2日間で少しずつ歩きながら、新たな膝の「再開発」を進めていきたい。この手術によって、ようやく膝が再生していく気がしている。
それにしても、もう一つの病棟は若者だらけで、予定入院の患者ばかり。施設も綺麗で快適らしい。僕はたまたま空きがなく、昔からある古い病棟での入院になった。ここは緊急搬送されてくる骨折したお年寄りたちでいっぱいだ。逆に、運が良かったのかもしれない。たくさんの貴重な体験ができるし、まるで特養や老健に体験入所したような気持ちだ。いろんな人の気持ちが今まで以上に理解できる、いい機会になったと思う。
今、廊下にある小さな窓から朝焼けを見ながら日記を書いている。隣には、いつも無言で外をぼんやり眺めている老人がいる。誰かを待っているわけじゃなく、ただ広い外の世界を眺めたいだけなんだろう。それは僕も同じで、狭い病室とベッドの上だけだと、広い外の世界が無性に見たくなる。
さて、看護師が点滴の準備を呼びに来てくれたから、これで一度行ってくる。退院したら焼肉や寿司を食べに行って、カラオケで思いっきり歌いたい。そしてギターを弾きながら歌う日が待ち遠しい。膝が治ったら、子供たちと全力で走り回りたいと思っている。
この入院生活は、いろんな人の気持ちを理解する貴重な経験だ。車椅子体験や手術、入院生活、家族と離れて過ごす日々。みんなの愛情や絆の温かさを改めて感じて、ありがたいと思う。
さぁ、今日も秋の日を楽しみながら、新たな一日を頑張っていこう。ありがとう。それじゃあまた。