霜が降りた寒い朝、黄色い朝日がその霜を照らし、まるで無数のダイヤモンドが輝いているかのようだった。そんな美しい景色に心を打たれながら、今日も一日が始まる。
昨日もボイストレーニングに励んだ。ついにC5、いわゆる「ハイC」の音域に届くようになった。しかし、ここで満足することなく、全ての母音で力まず安定した発声ができるよう、日々の鍛錬が必要だと感じている。この限界音域に挑戦するミドルボイスのエクササイズを終えた後、これまで高すぎて歌えなかった曲に再挑戦すると、驚くほど余裕を持って歌えるようになった。その余裕が、力みを解き、ビブラートやフェイクといった繊細な表現を自然に挿入できる余地を生む。口の開き方も自然と広がり、響きが豊かになる。まさに良いこと尽くしだ。
この「高音域を力まず広げ、安定させる」ことが、今後の最大のアプローチであり、自分の課題として確信している。人間の身体は神秘的で、意識的に動かせない筋肉も、イメージや意識の持ち方次第で動かすことができる。不随意筋の代表である心臓のように完全にコントロール不可能なものもあれば、上腕二頭筋のように簡単に動かせる筋肉もある。しかし、喉周りの筋肉はその中間に位置する。例えば高音を出すためには、声帯を薄く長く引き伸ばす必要があり、輪状甲状筋という筋肉を収縮させなければならない。直接的な操作は難しいが、「高い音を出すイメージ」や「響きの感覚」を持つことで、間接的にその筋肉の動きを誘発することができるのだ。
力みの原因は、多くの場合、必要のない部分まで無駄に力を入れてしまうことにある。大切なのは、必要な筋肉だけを意識的に動かす感覚を体得すること。この感覚を磨くことで、より自由で美しい発声が可能になる。今日もそのことを意識しながら、鼻歌を歌い、楽しく鍛錬を続けたいと思う。
昨日、広島で活動するあるシンガーの路上ライブを見た。その人は歌もギターも上手だったが、何かが足りなかった。それは「自己一致」だと感じた。事務所に所属し、実績を作ろうと努力している姿勢は素晴らしいが、活動の目的が「知ってもらうこと」や「フォロワーを増やすこと」に偏っているように見えた。若い頃の自分もそうだった。自分を知ってもらうため、勇気を振り絞って人前に立ち、挑戦してきた。その経験は確かに成長を促す大切なステップだった。
しかし、そうしたフェーズを経て、今の自分は次の段階にいると実感している。それは「自分自身を磨く」ということ。ギターそのもの、歌そのもの、人間そのもの、生き様そのものを飾らずに磨き続けることが大切だと気づいた。若い頃は、まだ未完成な自分を無理にでも外に出して、度胸を試し、経験を積むことが重要だった。でも今は、まずは自分の核をしっかりと磨き、それが自然と誰かの心に響いたときに初めて、その表現を届けるスタイルへと変わってきた。
求められるからこそ歌う。必要とされるからこそ表現する。もし誰からも求められなければ、それはそれでいい。無理に人の目を引こうとすることはしない。活動の規模は求められる数に応じて決める。それが0人なら、静かに磨き続けるだけ。それが10人なら、10人の心に響く場を作ればいい。100人なら、100人に届ける方法を考える。音楽活動だけでなく、カウンセリングや言葉を届ける活動も同じ考え方だ。
結局、自分の存在そのものが「求められるもの」になることが、今の目標であり、人生の指針だ。無理に広げる必要はない。ただ、自分自身を磨き続け、必要とされる瞬間が来たら、誠実に応えるだけ。そのために、今日も一歩ずつ、歌い、考え、感じながら過ごしていく。
僕の遺伝子を受け継ぐ子供たち、共に人生を歩む妻、そして両親や姉兄。皆がそれぞれの場所で一生懸命に生きていることに、心から敬意を抱いている。ともに幸せで、安心して、プラスアルファの自己実現を楽しむ豊かな生活を送りたい。今日もありがとう。また新しい一日が始まる。バイバイ!