日々のことば(ブログ)

✍️高市首相の食料品消費税1%、家計はいくら安くなる?物価高でも意味はあるのか

おはよう。結論から言うと、食料品の消費税が現在の8%から1%になれば、家計にははっきりとした効果がある。税抜価格が変わらず、減税分がすべて店頭価格に反映されれば、対象となる食料品は今の税込価格より約6.5%安くなる。

素人の僕からすると、正直、これはうれしい。ただ、食品そのものの値上がりは続いている。「消費税が下がっても、その分また値上がりしたら同じではないか」という疑問も残る。

今回の1%案は、物価高を止める政策ではない。それでも、物価高による痛みを確かに和らげる政策ではある。喜ぶか、疑うか。その二択ではなく、中身を知ったうえで受け止めたい。


まず、何が1%になるのか

現在の消費税率は原則10%。ただし、酒類と外食を除く飲食料品などには8%の軽減税率が適用されている。スーパーで買う米、野菜、肉、魚、弁当、総菜、持ち帰りの商品などは基本的に8%だが、お酒や店内での外食は10%のままだ。国税庁「消費税の軽減税率制度」

消費税は、最終的には消費者が買い物のときに負担し、事業者が仕入れなどで支払った分を差し引いて国へ納める。毎回は小さな金額でも、生きるために必要な食料品へ繰り返しかかる税金だ。

今回検討されているのは、消費税全部を1%にする話ではない。現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品を、2027年4月1日から2年間、1%にする案である。

さらに、税率として残る1%相当分の範囲内で、中低所得の現役勤労者を対象とする「所得に連動したきめ細かな給付」を2027年度に始める。税率1%と給付を組み合わせて「実質ゼロ」にする考え方だ。つまり、全員がレジで0%になるわけではない。買い物では1%を払い、対象となる人には別に給付する仕組みである。

自民党は2026年7月28日に、この議長案を含む中間とりまとめ案を了承した。ただし、超党派の会議では具体策の一致に至っておらず、法律もまだ成立していない。給付の対象、金額、財源などは未確定だ。自民党「社会保障国民会議の中間とりまとめ案を了承」


家計はいくら安くなるのか

税抜1000円の食品は、現在の8%では税込1080円だ。税率が1%になれば1010円になり、差額は70円。「8%から1%だから7%安くなる」と思いやすいが、現在の税込価格から見ると約6.5%の値下がりになる。

現在、対象となる食料品に使っている金額で単純計算すると、負担軽減の目安は次のようになる。

  • 月3万円なら、月約1940円、年間約2万3300円
  • 月5万円なら、月約3240円、年間約3万8900円
  • 月8万円なら、月約5190円、年間約6万2200円

家族の人数や買う物によって違うが、決して数百円だけの話ではない。毎月続くと考えれば、家計にとって意味のある金額だ。ただし、これは対象商品の税抜価格が変わらず、減税分がすべて店頭価格に反映された場合の計算であり、お酒や外食などは含まれない。


物価が上がったら、減税しても意味がないのか

ここが一番気になるところだ。総務省の2026年6月の消費者物価指数では、生鮮食品を除く食料が前年同月より3.1%上昇している。弁当は10.6%、コーヒー豆は23.3%、マグロは17.9%上昇した。総務省「2026年6月分消費者物価指数」

では、値上がりと消費税減税が重なったらどうなるのか。税抜1000円、税込1080円の商品が、原材料費などの影響で7%値上がりしたとする。税抜価格は1070円になる。

消費税が8%のままなら、税込価格は約1156円。一方、1%になれば約1081円だ。今の1080円と比べれば、ほとんど安くなっていない。しかし、減税がなければ1156円まで上がっていたものを、1081円に抑えられたとも言える。値上がりの一部を消費税減税が打ち消しているのだ。

ここが大切だと思う。消費税減税は、原材料費、燃料費、物流費、人件費、円安などによる値上がりを止めるものではない。物価が上がれば、「以前より安くなった」という実感が持てない場合もある。それでも、減税しなかった場合と比べれば、対象食品の価格を約6.5%低くする力がある。

物価高で効果がなくなるのではない。物価高の中に隠れて、効果を感じにくくなる可能性があるということだ。


世論が分かれるのには理由がある

共同通信が2026年6月に行った世論調査では、「時間を短縮できるなら1%でもいい」が43.9%で最も多かった。一方で、「時間がかかっても0%にするべきだ」が22.6%、「食料品の消費税減税は必要ない」が28.9%だった。共同通信の世論調査

早く負担を軽くしてほしいという意見、公約どおり0%にしてほしいという意見、減税より本当に困っている人への給付や社会保険料の軽減を優先すべきだという意見。どれにも理由がある。

食料品の減税には、申請しなくても買い物のたびに負担が軽くなる分かりやすさがある。所得が少ない世帯ほど、収入に占める食費の割合が大きいため、生活を支える効果も感じやすい。

一方、金額だけを見れば、食料品を多く買う高所得世帯の方が減税額は大きくなる。大和総研は、年収上位20%世帯の負担軽減額が、下位20%世帯の約2倍になると試算している。また、1%への引き下げによる税収減は年間約4.4兆円と見込まれている。大和総研「食料品の消費減税、その効果と実施後の課題」

広く全員を助けられるが、本当に困っている人だけを狙って助ける制度ではない。だからこそ、税率を1%まで下げたうえで、中低所得者向けの給付を組み合わせる案が出てきたのだと思う。


消費者だけでなく、作る人と売る人もいる

消費者にとってうれしい減税でも、食べ物を作り、届け、売る側には新たな負担が生じる。外食は10%のまま、持ち帰りは1%になれば、税率差は9ポイントまで広がる。飲食業界からは、外食も暮らしを支える食のインフラであり、同じ税率にしてほしいという声が出ている。日本飲食団体連合会の緊急メッセージ

農業者にも心配がある。売る食料品の税率は下がっても、農機具、肥料、燃料などの仕入れには従来の消費税がかかる。特に免税事業者などは還付を受けられず、経営を圧迫する可能性がある。

政府・与党は農業従事者や外食産業への支援を検討するとしているが、具体的な支援内容はこれからだ。誰かの安さが、別の誰かの無理によって成り立つ制度にはしてほしくない。


本当に見るべきなのは、減税後の「暮らし全体」だ

食料品の税率が1%になれば、買い物の負担は確かに軽くなる。ただし、年間約4.4兆円の税収減を何で補うのか。別の税金、社会保険料、行政サービスなどを通じて負担が増えれば、家計全体では効果が薄くなる可能性がある。

そして2年間が終われば、原則として税率は8%へ戻る。給付付き税額控除への移行がうまくいかなければ、その時点で食料品の支払額が一気に上がることになる。

見るべきなのは、減税するか、しないかだけではない。

  • 店頭価格に減税分がどれだけ反映されたか
  • 中低所得者への給付が誰に、いつ、いくら届くのか
  • 減った税収を何で補うのか
  • 農業や外食の現場にしわ寄せが出ていないか
  • 2年後にどの制度へつなぐのか

この五つを合わせて見て、初めて暮らしが本当に楽になったのか判断できる。


僕は「うれしい。でも、これだけでは足りない」と受け止めたい

食料品の消費税が1%になるなら、僕はやはりうれしい。食べることは我慢しきれない。誰にとっても毎日必要であり、申請しなくても買い物のたびに負担が軽くなる。その分かりやすさには大きな意味がある。

ただ、これは物価高を全部解決する魔法ではない。食品価格が上がる原因そのものへの対策、物価上昇を上回る賃金、生産者や事業者が無理なく続けられる仕組み、負担能力に応じた給付や税制。そうしたものと一緒に進めてこそ、本当の生活支援になる。

だから僕は、今回の1%案を「物価高を終わらせる政策」ではなく、「毎日の痛みを確かに和らげる一手」として受け止めたい。うれしいという気持ちは、そのままでいい。でも、そこで考えることを止めず、実際の店頭価格、財源、給付、現場への影響、2年後まで見届けたい。

食卓は、税率の数字だけでできているわけではない。作る人、運ぶ人、売る人、食べる人がいる。だからこそ、誰か一人にしわ寄せする安さではなく、みんなの暮らしが少し続けやすくなる仕組みであってほしい。

今日も、大切な人と食べられる一食に感謝しながら、喜ぶところは喜び、見るべきところはしっかり見ていきたい。

愛と感謝を忘れずに、今日も一歩ずつ。


広島で、家族と日常を大切にしながら、音楽と文章をつくっています。作詞・作曲から、歌、演奏、録音、映像、発信まで、自分の手で育てています。音と言葉で、人生に小さな灯りを。

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