日々のことば(ブログ)

✍️J-SHISとは?自宅周辺の揺れやすさ・地盤・活断層を調べる|熊本地震を自分の備えへ

おはよう。J-SHISとは、防災科学技術研究所が公開している「地震ハザードステーション」のことだ。住所や地図上の地点を指定すると、自宅周辺が強い揺れに見舞われる確率、表層地盤の特徴、主要な活断層帯などを無料で確認できる。

結論から言えば、J-SHISは「安全な場所」と「危険な場所」を決める地図ではない。自分が暮らしている場所について知り、大切な人を守るために、何を優先して備えるかを考えるための地図である。

2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震では、熊本県宇城市と氷川町で最大震度7を観測した。消防庁の7月31日17時時点の発表では、35人の死亡が確認されている。嘉島町で商業施設の一部が崩落した現場には、136隊約540人が対応し、今も懸命な救助活動が続いている。

命を落とされた方々に、心からお悔やみを申し上げたい。被災された方々、安否を案じながら知らせを待っているご家族、そして危険な現場で救助にあたっている方々のことを思うと、固唾をのんで祈るばかりである。

一人でも多くの命が救われてほしい。これ以上、被害が広がらないでほしい。

気象庁によると、今回の地震活動は現在も依然として活発な状況にあり、揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度は最大震度7程度の地震に注意する必要がある。救助を待つ方々の安全はもちろん、救助や復旧にあたる方々が二次災害に巻き込まれないことも、強く願っている。

先日、僕は「✍️熊本で震度7――災害直後、遠くにいる僕らにできること|正しい情報・支援・備えを考える」という記事を書いた。

地震が起きた瞬間、僕は広島で仕事の電話をしていた。揺れを感じながらも最初は仕事の話を続け、二度目の大きな揺れで、ようやく電話を切った。その経験を振り返りながら、災害直後に遠くにいる僕らにできることとして、確かな情報を選ぶこと、未確認情報を広げないこと、正式な支援窓口を確認すること、そして自分の暮らしの備えを進めることを考えた。

その記事の中で、僕は自分自身に問いかけた。

熊本ではどうだったのか。僕が暮らす広島ではどうだろう。そして、今この記事を読んでいるあなたの場所ではどうだろう。

今日は、その問いをもう一歩先へ進めたい。被災地のニュースを見て胸を痛めるだけで終わらせず、実際に自分の住む場所を調べてみる。そのために役立つのが、J-SHISだ。


J-SHIS公式サイトで、自宅周辺を調べてみる

J-SHISは、防災科学技術研究所が地震防災に役立てるために公開している公式サービスだ。日本全国の地震ハザードに関する情報を、地図上で重ねて確認できる。

難しそうに見えるけれど、最初からすべての項目を理解する必要はない。まずは公式サイトを開き、自宅の住所や、普段よく利用する場所を一つ調べてみればいい。

パソコンでもスマートフォンでも利用できる。画面に表示される情報量は多いけれど、まずは住所を入力し、自分の場所が地図のどこにあるのかを見るところから始めたい。


一番簡単なのは「地震ハザードカルテ」

初めてJ-SHISを使う人には、「地震ハザードカルテ」が分かりやすい。住所を検索するか、地図上で確認したい地点を選び、「診断する」を押すと、その場所に関する地震ハザード情報が一枚の資料にまとめて表示される。

ブラウザの設定によっては、診断結果を表示するためにポップアップブロックを一時的に解除する必要がある。住所の検索数には上限があり、一時的に検索できない場合もある。

カルテには多くの数字やグラフが並んでいるが、最初は三つだけ確認すればいい。

一つ目は、今後30年間に強い揺れに見舞われる確率。二つ目は、表層地盤の特徴と地盤増幅率。三つ目は、その場所の揺れに大きな影響を与える可能性がある地震だ。

すべての用語を理解してから使おうとすると、途中で疲れてしまう。まず自宅のカルテを作り、その中で気になった数字を一つずつ調べていけばいい。


「30年以内に震度6弱以上」の意味を誤解しない

J-SHISで特に目に入るのが、「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」という数字だ。ここは最も誤解しやすい。

この数字は、「自宅の真下で地震が発生する確率」ではない。周辺の活断層で起きる地震、海溝型地震、発生場所をあらかじめ特定することが難しい地震などを含め、その地点が強い揺れに見舞われる可能性を示している。

つまり、「地震そのものが発生する確率」と、「自分のいる場所が強く揺れる確率」は別のものだ。

また、確率が高い地域から順番に地震が起きるわけでもない。数字が低く表示されていても、明日、強い地震が起きないとは言えない。反対に、数字が高いからといって、必ず30年以内に大地震が発生すると断定できるわけでもない。

地震ハザードカルテでは、総合評価がAなど比較的低いランクであっても、「地震による危険がないことを示すものではない」と説明されている。

赤い場所だから、すぐに地震が起きる。色が薄い場所だから、安全である。そう単純に判定するための地図ではない。

数字を見て安心するか、怖くなって画面を閉じるか。そのどちらかで終わるのではなく、「この場所で暮らすなら、何を備えておくか」まで考えることが大切になる。


同じ地域でも、地盤によって揺れ方は変わる

地震の揺れ方は、震源からの距離や地震の規模だけでは決まらない。地表付近の地盤によっても、揺れの大きさは変わる。

J-SHIS Mapでは、「表層地盤」の項目から「地盤増幅率」を選ぶことができる。地盤増幅率とは、地下から伝わってきた地震の揺れが、地表付近の地盤によってどの程度大きくなりやすいかを示す目安だ。

川沿いの低地、埋立地、山に近い場所など、土地がどのようにできたのかによって、地盤の特徴は変わる。そのため、同じ市内や比較的近い場所であっても、想定される揺れが異なる場合がある。

ただし、地盤増幅率が高いからといって、「自宅が必ず倒壊する」という意味ではない。実際の被害は、建物の構造、築年数、耐震性能、家具の配置、地震の揺れ方など、さまざまな条件によって変わる。

J-SHISは、個別の住宅の耐震性まで診断するサービスではない。地盤の特徴を知ったうえで、自宅の建築時期や耐震性、家具の固定状況を別に確認する。その組み合わせが大切になる。


自宅近くの主要活断層帯を確認する

J-SHIS Mapでは、全国の主要な活断層帯も地図上に表示できる。「震源断層」の項目から「主要活断層帯」にチェックを入れると、地図上に断層帯の位置が表示される。

地図を拡大して気になる断層を選ぶと、断層の名前や概要、地震調査研究推進本部による長期評価などを確認できる。「想定地震地図」を開けば、その断層で地震が発生した場合、どの地域でどの程度の揺れが想定されているのかも見ることができる。

自宅の近くに活断層帯が表示されたら、不安になると思う。反対に、近くに表示されなければ、安心してしまうかもしれない。

しかし、地図に表示される主要活断層帯だけが、地震を起こす断層のすべてではない。詳しい評価の対象になっていない断層や、地下にあって十分に分かっていない断層もある。

「近くに活断層がないから大丈夫」とは言い切れない。活断層の線を探して怖がることが目的ではなく、自分が住んでいる地域で、どのような地震が想定されているのかを知り、備えを具体的にするために見るものだ。


J-SHISだけですべての災害リスクは分からない

J-SHISは、地震による揺れや地盤について考えるうえで、とても役立つ。ただし、J-SHISだけですべての災害リスクが分かるわけではない。

大きな地震では、強い揺れに加えて、津波、液状化、土砂災害、火災、建物倒壊、道路の寸断などが起きる可能性がある。海や川の近くであれば津波や液状化、山や崖の近くであれば土砂災害、住宅が密集する地域であれば地震後の火災にも注意が必要になる。

J-SHISで揺れやすさと地盤を確認した後は、自治体が公開している防災マップや、国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」も併せて確認したい。

確認するのは、自宅だけではない。勤務先、学校や保育園、離れて暮らす大切な人の家、毎日通る道路についても考えておきたい。

地震が起きるとき、家族全員が自宅にいるとは限らない。むしろ、仕事中や通勤中、登下校中など、それぞれが別の場所にいる可能性の方が高い。

電話がつながらなかったら、どうするのか。自宅へ戻れなかったら、どこで待つのか。誰が子どもを迎えに行くのか。地図を見ながら一度話しておくだけでも、いざというときの迷いを減らすことができる。


地図を見た後に、一つだけ行動する

J-SHISで自宅周辺を調べても、地震そのものを止めることはできない。それでも、被害を少しでも小さくするために、今できることはある。

寝室や子ども部屋に、倒れてきそうな家具がないかを見る。本棚やタンス、テレビを固定する。家具が倒れたときに、玄関や廊下をふさがないか確認する。

飲料水、食料、モバイルバッテリー、懐中電灯、常備薬、簡易トイレなども見直したい。特に簡易トイレは後回しになりやすいが、断水が続いたときには生活を支える重要な備えになる。

すべてを一度にそろえなくてもいい。今日は、自宅の住所をJ-SHISへ入力する。明日は、家具を一つ固定する。次の買い物で、水や簡易トイレを少し追加する。

そのくらいからでも、備えは確実に前へ進む。


被災地を思う気持ちを、今日の備えへ変える

熊本では今も救助活動が続いている。一人でも多くの命が救われてほしい。これ以上、被害が広がらないでほしい。離れた場所からは、祈ることしかできないような気持ちにもなる。

それでも、自分の暮らしを振り返ることはできる。

もし、同じ規模の地震が今、自分の地域で起きたら。家族や大切な人を守るために、何が足りないだろう。どこへ逃げればよいだろう。

先日の記事では、災害直後、遠くにいる僕らにできることを考えた。確かな情報を選ぶ。未確認情報を広げない。正式な支援窓口を確認する。そして、自分の暮らしと職場の備えを一つ進める。

今日は、その最後の一つを実際に動かしてみた。

J-SHISの数字や色は、未来を決めるものではない。「あなたの家は危険だ」と断定するものでもない。自分が暮らす場所について知り、今日できる備えを考えるための材料だ。

地震が起きる日を知ることはできない。けれど、地震が起きる前に準備することはできる。

被災地のニュースを見て、胸を痛めるだけで終わらせない。その命の重さを、自分と大切な人を守るための一歩へ変えていく。まずは今日、J-SHISで自宅周辺を一度確認してみたい。

熊本で救助を待つ方々、被災されたすべての方々に、どうか必要な支援が一日も早く届くことを願っている。

愛と感謝を胸に。

バイバイ。


松永 修|MUSICおさむ

広島で、家族と日常を大切にしながら、音楽と文章をつくっています。作詞・作曲から、歌、演奏、録音、映像、発信まで、自分の手で育てています。音と言葉で、人生に小さな灯りを。

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