おはよう。今日は「愛」と「感謝」について書いてみたい。
人は小さい頃から、
「ありがとうを言いなさい」
「親に感謝しなさい」
「人を大切にしなさい」
と教わる。
もちろん、それは大切なことだ。
愛も感謝も、知識として理解することと、心から腑に落ちることは少し違う。
ただ誤解してほしくないのは、若い頃の感謝が浅くて、大人になってからの感謝が本物だという話ではない。
その時その時の感謝は、その時の本当だ。
子どもの頃の「ありがとう」も本当。
若い頃の感謝も本当。
親になってから感じる感謝も本当。
ただ、人生を重ねる中で、その意味や深さや角度が少しずつ変わっていくのだと思う。
人は一生を通じて発達していく
発達心理学では、人は大人になっても成長し続けると考える。
心理学者の エリク・エリクソン は、人間には人生の各段階ごとに向き合う課題があると考えた。
若い頃は、自立すること。
自分らしさを見つけること。
社会の中で自分の居場所をつくること。
そして年齢を重ねると、次第に視点が自分から周囲へ広がっていく。
誰かを育てること。
誰かを支えること。
誰かのために力を使うこと。
そうした経験を重ねながら、人は少しずつ人生の見え方を変えていく。
愛や感謝も、その発達の中で少しずつ形を変えていくものなのかもしれない。
愛は与えられて初めて分かることがある
愛についても同じだと思う。
若い頃から愛という言葉は知っている。
家族愛。
恋愛。
友情。
いろいろな形がある。
でも、本当の意味でその重みを感じるのは、自分が愛された経験をした時かもしれない。
苦しい時に支えてもらった。
失敗しても見捨てられなかった。
何も返せない時でも大切にしてもらった。
そんな経験を通して、人は初めて愛の存在を実感する。
頭で理解するのではなく、体験として理解する。
だから愛は理論だけでは身につかない。
人生の中で少しずつ腑に落ちていくものなのだと思う。
転機の時、人は支えの大きさに気づく
人生には様々な転機がある。
進学。
就職。
転職。
結婚。
子育て。
病気。
挫折。
別れ。
心理学者の ウィリアム・ブリッジズ は、人が変化を経験する時には「終わり」「中立地帯」「新しい始まり」という心の移行期間があると説明した。
また、ナンシー・シュロスバーグ は、転機を乗り越える力として周囲の支援や人間関係の重要性を示している。
転機は不安なものだ。
でも、その不安の中で見えてくるものもある。
応援してくれる人。
話を聞いてくれる人。
信じてくれる人。
そばにいてくれる人。
順調な時には見えなかった支えが、転機の時にはよく見える。
そして、その時に人は感謝の意味を少し深く理解する。
人は納得した時に変わる
僕は昔から、「人は納得しないと本当には変わらない」と思っている。
誰かに教わることはできる。
本を読んで学ぶこともできる。
でも、本当に認知が変わるのは、自分自身が体験し、納得した時だ。
心理学でも、認知が変わると行動が変わると言われる。
愛も感謝も同じなのかもしれない。
「人は一人では生きられない」
この言葉を知らない人は少ない。
でも、実際に支えられた経験をした時。
実際に助けてもらった時。
実際に誰かと力を合わせて何かを成し遂げた時。
その時初めて、
「ああ、本当にそうなんだな」
と腑に落ちる。
その納得が、人を少しずつ変えていく。
幸福研究がたどり着いた答え
近年の幸福研究も興味深い。
心理学者の マーティン・セリグマン が提唱したPERMA理論では、幸福の重要な要素の一つとして「Relationships(良好な人間関係)」が挙げられている。
また、心理学者の クリストファー・ピーターソン は、
「他者との関係こそが最も重要である」
という有名な言葉を残している。
結局、人は人との関わりの中で喜びを感じる。
認められること。
支え合うこと。
愛すること。
愛されること。
そして、そのことに気づくこと。
愛も感謝も、実は別々のものではなく、そのつながりの中から自然と生まれてくるものなのかもしれない。
おわりに
愛も感謝も、誰かに教わって終わるものではない。
人生を生きる中で。
人に支えられ。
人を支え。
失敗し。
挑戦し。
喜びや悲しみを経験しながら。
少しずつ意味が変わり、深まり、広がっていくものなのだと思う。
若い頃の感謝も本当。
今の感謝も本当。
そして10年後には、また違う形の感謝があるのだろう。
若い頃の愛も本当。
今感じる愛も本当。
そして人生のどこかで、また新しい愛の形に出会うのだろう。
だから焦らなくていい。
人生には、それぞれのタイミングがある。
愛も感謝も、きっとその人なりの速度で腑に落ちていく。
では今日も、人とのつながりを大切に。
愛と感謝を胸に、今日も一日頑張ろう。
じゃあね、バイバイ。
- ✍️時間は命そのもの|人生の優先順位を決める、たった一つの視点

- ✍️父の日に思う|親が本当に欲しいもの

- ✍️愛と感謝は教わるものではなく、人生の中で腑に落ちていく

- ✍️なぜ今、社会は「分ける」から「つながる」へ向かっているのか|ダイバーシティとインクルージョンを考える

- ✍️人はなぜ人と比べてしまうのか|比較を成長の力に変える考え方

- ✍️若い頃の失恋には意味がある|心理学が教えてくれる心の回復力

- ✍️見えない色があったから見えたもの|色覚特性と進路、そして人生の選択

- ✍️子どもの“成長”って、親の想像を超えていくことなんだろうな

- ✍️なぜ連休明けはしんどくなるのか|5月病・適応・認知のクセを心理学で読み解く

- ✍️遠い記憶と今が重なるとき|同じ人なのに、もう同じじゃない

- ✍️傾聴から認知行動療法まで|人を理解する心理学の全体像

- ✍️貴重になった何気ない普通の雨の価値を考える

- ✍️親子という関係のかたち|関わりで深まる愛と成長

- ✍️伴侶とは何か。家族のかたちを超えて、心でつながるということ

- 京都の男の子事件から考える|衝撃的なニュースに心を持っていかれそうな方へのアドバイス

- ✍️家族がすべてじゃない。でも僕にとってはすべてだ|家族という、いちばん小さくて大きな世界

- ✍️誕生日という高度な文明の上に成り立つ文化を、あえて考察してみる

- 体調が微妙に悪い日の乗り越え方|休めない日に“事故らない”ための考え方

- ✍️人はなぜ、お金だけでは幸せになれないのか|ハーバード85年研究が示した人生の本質

- ✍️新生活で心がざわつくのは当たり前|変化の季節に心を整える方法と心理学的ヒント

- ✍️変化の多い季節に、心をやさしく守ろう|4月を前に伝えたいこと

- ✍️マイケル・ジャクソンという存在を考える|与えること、愛すること、そのあいだで人はどう生きるのか

- ✍️妻だけに背負わせない|制度の次は、夫の“覚悟”だ

- ✍️なぜ生きるのか|どうせいつか死ぬのに、なぜ人は最後まで幸せを求めて生きるのか

- ✍️妻だけに背負わせない|両立支援は、家庭の中から始まる

- ✍️卒業の季節に思うこと|おめでとうの奥にある、ありがとう

- ✍️愛は裏切らない|独り親・面会・元の家庭と今の家庭、信頼という土台

- ✍️才能はまだ名前がついていない|自己理解・強み発見・ジョハリの窓で考える

- ✍️「いま危ない日だ」と気づけるだけで、人生はかなり楽になる|疲れ・睡眠不足・風邪気味が引き起こす対人トラブルと脳の状態

- ✍️人生は総資産じゃない。総満足ポイントで決まる
